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森の中の棲みか

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ですからここには沢山のきのこが棲んでおりました。

そして、どんどん仲間が殖えていきました。

どんどん仲間が殖えていっても、みんな形と色と模様は別々でした。

ここは深い深い森の中の「きのこ村」と森の仲間は呼んでいたのです。

きのこ達にとって一番の苦手なことは太陽にいつも照らされることでした。

陽の当る場所は苦手だったのです。

きのこの棲む場所は森の木の茂った場所の所々にありました。

きのこは荒らされないように森の妖精に守られておりました。

きのこは人間が食べることは出来ません。

きのこを食べた人間は生きることが出来ないのです。

こうして綺麗なきのこ達は妖精に守られていたのでした。

それはいつの日からか確実で厳しい「森の掟」となっておりました。
作品名:森の中の棲みか 作家名:天田昇