小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

開けてはいけない

INDEX|5ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 



加治から電話がかかって来たのは、二人で会って飲んだ翌週の金曜日の夜だった。
夜の9時頃に鳴った自宅の固定電話に出てみると、受話器の向こうから加治の声が聞こえて来た。
「よお、元気か。」
そう言う加治の声は、いつものような元気が無かった。
「どうした、なんか元気ないな。体調でも崩したか、それとも彼女に振られたか。」
「振られたくても彼女はいねえ。」
「ハハ、そうだったな。でも、ホントに元気ないぞ。どうした。」
受話器からの声がしばし途絶えた。
「そうだな、おまえには話しておくか。」
「なんだ、もったいぶらずに言えよ。」
加治は少しだけ躊躇うように、単語と単語の間隔を空けながら話始めた。
「始まったのは、この前の日曜日の真夜中だ。」
「俺たちが飲んだ日だな。何か始まったんだ?」
「いいから聞けよ。」
加治が少しだけ声を荒げた。
「わかった。黙って聞くよ。」
俺はそう言うと、黙って先を促した。
「おまえと飲んでそのまま家に帰って、俺は風呂に入ってそのまま寝たんだ。そして夜中、そう2時半頃だったな。ふと目が覚めたんだ。目を覚ましてみると、何か、いつもと違う感覚がした。なんだろうと思って、辺りを窺っていると、遠くから妙な音が聞こえて来るのに気が付いた。何か、重たいものを引きずるような音が微かに聞こえて来るんだ。そのときは、気のせいかと思って、また布団に潜りこんで眠っただんだ。」
作品名:開けてはいけない 作家名:sirius2014