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開けてはいけない

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「なんだ、こりゃ。心霊写真か?」
「そうだ。今、心霊写真を撮るのに凝ってるんだ。」
「ふーん、これ、どうやって撮ったんだ?」
「よく見てみろ。ちゃんとした思考能力がある人間なら、じっくりと見ればタネが分かるはずだ。」
俺は画像をじっくりと見た。女の子は5歳くらいで、神社かどこかの石段の途中に立っている。詳しく見てみると、真っ直ぐ立っていない。微妙に重心が後ろに傾いている。
「わかったよ。」
俺はにやりと笑って、加治にスマホを返しながら言った。
「この女の子、よく見ると重心が後ろにかかってる。片方の足を曲げて、後ろの段に膝をついてるだけだろ。」
「正解。まあ、普通はわかるよな。でもこの写真、心霊写真の投稿サイトに投稿したら、本物扱いされたんだぜ。」
「まじかよ。」
「ああ、霊能力者とかいうやつが、『動物霊がついてる、本人に害はないが、この写真はすぐにお寺に持って行って焼いてもらえ』だってよ。」
「スマホの画像をどうやって焼くんだ?」
「だから、アホなんだよ。こいつはどうだ?」
加治は別の画像を俺に見せた。さっきの画像と同じ女の子が写っていて、今度は両足揃っているが、片方の腕が無かった。
俺はその写真をじっくりと見た。女の子は肘まであるゆったりとした半袖のTシャツを着ている。
「これはただ片腕を背中に回してるだけだな。肘まであるシャツを着てるんで、片腕が消えたように見えるだけだ。」
「さすがだな。」
加治は笑うと、次の画像を見せた。
「じゃあ、これは。」
作品名:開けてはいけない 作家名:sirius2014