開けてはいけない
その数日後、警察から連絡があり、加治の部屋に外部から何者かが侵入した形跡が無く、また司法解剖の結果、加治の死因が心筋梗塞であったことも併せ、警察としては事件性がないと判断したことを教えてもらった。
死亡推定時刻は、土曜日の午前3時前後とのことだった。つまり、加治が死んだのは、土曜日の深夜、俺と電話で話した直後ということだ。
と言うことは、土曜日の朝、俺にかかって来た電話は、やはり加治ではなかったということになる。
あの電話の相手はいったい、誰だったのだろうか。
作品名:開けてはいけない 作家名:sirius2014