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秋月かのん
秋月かのん
novelistID. 50298
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Wish プロローグ4

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「はぁ~よかったよ。てっきりお兄ちゃんがどっかで誘拐してきたのかと…」

「するかぁッ!!」

「え?違うの~?てっきりそうなんだとばっかり☆」

「当たり前だ!!」

おいおい、俺ってそんな風に見られたのか…。
あぁ、なんか悲しくなってきた。

「あれ?でも昔からの友達なんだよね?ハルちゃん、そんなこと言ったりしなかったよね?私、聞いたことなかったもん」

「それはそうだ。お前が引っ越してくる前だからな」

「そうだったんだ」

「まぁ、それはいいとしてだな…。こほん…えーと紹介が遅れたが、こいつはアミーナ、まぁ俺はミナって呼んでるけどな」

「アミーナ・ノヴァといいます。私のことはどうぞミナと呼んでください。よろしくお願いします」

ミナは、ペコリと頭を下げた。

「よろしくね~ミナちゃん。私は、朝霧冬姫っていうの。呼び方は……好きに呼んでくれていいよ~」

そして、続いて明日香、

「ボクは、雛月明日香だよ。ここにいる雛月春斗の妹なんだよ~♪」

「え?ヒナちゃんに妹がいたんですか?知りませんでした」

「あぁ、それはそうだろうな。ミナが引っ越して、そのちょっと後に明日香は俺の妹になったんだよ」

「そうだったんですか」

「でも、ただの妹じゃないんだよ~♪」

「え?どういうことですか?」

「コホン…。それはね……ボクは、お兄ちゃんの妹であると同時に恋人でもあるんだよ~♪えへっ♪」

「えぇ!?そ…そうだったんですか~!」

「んなわけあるかッ!ミナ、冗談だからな!明日香、変な冗談はよせッ!ミナが本気にするだろうが!」

「な…何だ、冗談だったんですか。……ほっ」

「むぅ~。冗談言ったつもりはないんだけどな…」

明日香は、何だか納得いかない表情で口を尖らせていた。

「ね…ねぇ、ハルちゃん?」

冬姫は、俺の服の裾をぐいぐい引っ張ってきた。

「何だ?冬姫?」

「さっき明日香ちゃんと恋人っていうのは冗談って言ってたけど、嘘とかじゃないよね?ねぇ、ハルちゃん?」

不安げに瞳をうるうるさせながら俺を見つめる冬姫。
ほら、またこの娘本気にしかけてるよ…。

「あぁ、本当だ。というか明日香は、俺の妹だ。そうだろ?だから、そんなことはあるはずないだろう。わかったか?」

「うん。えへへ♪そうだよね。私は、ハルちゃんを信じているよ」

にっこりと屈託もなく疑いの表情もない満面の笑みで微笑む冬姫。
…全く冬姫は。…まぁ、期待を裏切らないよう頑張るか。
気を取り直して…。ラストを飾るは…かえで。…ちゃんとシメてくれよ。

「あたし、かえで、よろしく☆」

(………)

「こんらーかえでッ!何だその紹介は?いくら面倒でももっとマシなもんにしろッ!ラストバッターだろ?このままじゃ逆転サヨナラ負けだぞッ!根性を見せろッ!かえでッ!お前はこんなトコでやられるようなたまじゃないだろ?!さぁ、ミナに見せてやれッ!お前の力をッ!!」

「ん~でも、あたし、紹介っていってもゲームとかコミックの方しかしたことないし☆…あぁ、それいいかも☆春斗、していい?」

あぁ、ダメだ既に負けていたようだ。本気でかえでを何とかしないと。

「ふふふ♪皆さん本当に仲がいいんですね。これからよろしくお願いします」

ミナがホントいい娘でよかった…はぁ。

「ねぇねぇ、せっかくミナちゃんと仲良くなれたんだし、今日、歓迎会しようよ~」

「いい考えだね~☆ボクも歓迎会やりたい」

「そうだな。ミナがまた戻ってきてくれたんだしな。どうだ?ミナ?」

「え?いいんですか?私なんかのために」

「何を言ってるんだ。みんなミナと友達になれて嬉しいんだよ。それに、俺もお前が帰ってきてホントに嬉しいんだぜ」

「ヒナちゃん…」

「そうそう。ミナタンは、みんなに歓迎されてるんだよ~」

「お前が言うか…それを」

それに、『ミナタン』って……。

「ありがとうございます!では、お世話になります」

「おう!会場の設定は俺に任せておけ」

「じゃ、料理は、私と明日香ちゃんに任せておいてね~」

「はーい☆腕によりをかけて作っちゃうよ♪」

「ん~じゃ、あたしは、果報は寝て待ってるよ~」

「ちょっと待て!それは、役割でも何でもない!」

「そうか…んじゃ、ミナタンに、ゲームでも勧めてるよ☆今日、いいのが手に入ったしね☆」

「ゲーム…ですか?ちょっと興味があります。それで…どんな?」

「うーんと、内容が濃いこと(エロシーン)で有名な企業のゲームなんだけどね。これがまた凄いのなんの」

「わ…わかった。お前は、何もしなくていいから。ミナの相手をしていてくれ。くれぐれも変なことは吹き込むなよ!た・の・む・か・ら!」

「大丈夫☆ばっちり面倒見ておくから☆」

その笑顔は、余計に心配にさせるんだが…。
その瞳に覗く光輝くキラキラした星がな。
まぁ、ミナも子供じゃないんだから大丈夫か…。

「それで、さっきの続きなんだけど…」

「はい☆お願いします」

「って、心配したその場で始めるなッ!それにミナ、そんなのに興味を持ってはいかん!」




「美味しいですね。冬姫さんと明日香さんは料理がお上手なんですね~。羨ましいです」

「え~そんなことないよ~。私より明日香ちゃんの方が上手だって~えへへ♪でも、嬉しいな~こんなに喜んでくれて」

「うんうん☆お兄ちゃんとかえちゃんなんか、そういうこと言ってくれないし~。こんなに喜んでくれて作った甲斐があったよ☆」

歓迎会が始まって早々、主賓とシェフ二人によるお料理評論会が開催されていた。

「ん?そうか?もぐもぐ、うん、美味いぞ」

「ん~これは中々…もぐもぐ」

「ね?」

「あ…ははは」

「でも、ミナちゃんはお料理しないの?何か、とても上手そうに見えるんだけど…」

「うん☆ボクもそう思った」

「そ…そんなことないです!料理はやりますが、私の料理が美味しいかどうかはわからないです。まだ、誰にも食べさせたことがありませんから」

「え~そうなんだ。じゃ、今度よかったら作ってくれないかな?私が試食してあげるよ☆」

「ボクも~☆」

「ほ…本当ですか?それは、助かります。私一人では全然わからないのでお二人の意見が聞けると思うと心強いです」

「やったぁ♪じゃ、今度、ミナちゃんの家に行くね~」

「はい、楽しみにしていますね」

何だか向こうは盛り上がってるな~。
実に楽しそうだ。仲間に入れてくれないものか。
だってよ、それに比べてこっちは…。

「もぐもぐ…。…ん?春斗、どうしたの?あたしを見つめて。もしかして…春斗もやっとあたしの魅力に気づいたの?」

頬を紅潮させ、瞳潤ませ輝かせ、上目遣いで擦り寄るかえでさん。

「違うわいッ!」

「何だ~つまらない。…もぐもぐ。そういえば、春斗、今日、久しぶりにパーティ組もうよ(ネトゲー)」

「別にかまわんが…お前と組むと徹夜だからな~明日がつらいぜ」

「大丈夫だって、ちゃんと目覚ましセットしとけば。それに、春斗とパーティ組むのは楽しいしさ」

「それは、どうも」
作品名:Wish プロローグ4 作家名:秋月かのん