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監禁愛~奪われた純潔と囚われの花嫁~(完結編)

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 生暖かい液体が感じやすい奥の膣壁を余すところなく濡らしてゆく。彼の放った液が滲み込んでゆくのにも我慢できないほどの快感を感じ、愛奈は華奢な身体を震わせ、すすり啼いた。
「良いの、とっても気持ち良い」
 拓人の狂気が乗り移ったかのように、愛奈もまた、どこか壊れてしまったのかもしれない。次に正気に目覚めた時、自分が演じた痴態がどれほどのものかを悟り、死んでしまいたい、この世から自分という存在を消し去ってしまいたいほどの絶望を感じるのは常のことだ。
 既に女が陶酔状態から醒めているとも知らず、拓人はいまだ忘我の境地を流離(さすら)っているようであった。自分が放った精液を愛奈の中により深く滲み込ませたいとでもいうかのように、ゆっくりと腰を押し回し、彼女の感じやすい内壁が彼自身を締め付ける気持ち良さを未練がましく貪っているのだ。
 情事の直後、愛奈はいつも烈しい自己嫌悪に陥った。自分は一体、ここで日々、何をしているのだろうと。鳥籠に閉じ込められ、ここで男に抱かれるのを待つだけの怠惰な日々。得るものは何もない、この状況で。
 本当にこのままで良いのだろうか。生活の、いや人生のすべてが肉欲の交わりだけに支配される日々を受け容れていて良いのか。自身に問いかける。―良いはずはなかった。
 かつて自分には夢があった。大勢の子どもたちに囲まれ、オルガンを弾いて一緒に歌ったり、運動場で追いかけっこをしたり―、そんな自分を夢見ていた。だが、今の自分は何をやっているのか。これで良いはずがない。
 変えなければ。皮肉なことに、拓人に烈しく求められれば求められるほど、その交わりが濃いものであればあるだけ、愛奈は抱かれた直後に、かつて追い求めていた夢を再び心に思い浮かべるのだ。男の腕の中で淫らに喘ぎ身をくねらせ乱れる自分を消してしまいたいほど恥ずかしいと思う。
 このままでは、私は駄目になってしまう。その一心が愛奈を突き動かした。
「お願いがあります」
 拓人が漸く自分の中から出ていった後、愛奈はか細い声で言った。拓人が?おや?といった表情で彼女を見やった。
「何だい? 何か欲しいものがあるの?」
 愛奈は拓人を真っすぐに見つめた。こんな風に彼を真正面から見るのは随分と久しぶりのような気がした。
「高校に行かせて下さい」
「―」
 ハッと彼が息を呑むのが判った。ここ二週間というもの、ひたすら大人しく彼に抱かれ続けた愛奈はまさに従順そのものだった。性の奴隷―もっとも、たとえどのように言葉で言い繕おうとも、今の愛奈はそうとしか呼びようがない状態だ―という形容がふさわしくなければ、彼の巧みな性技の虜になっているといえた。
 それが唐突に予想外の科白を突きつけられ、彼の端正な面に驚愕の色が浮かんでいた。
 宙で二人の視線が絡み合い、離れた。その瞬間、拓人は愛してやまない女の瞳に、けして何ものにも曲げられない強い信念を見たのだった。
 思えば、彼が愛したのはこの不屈の精神(こころ)、何が起ころうとも、絶対に折れることのない強くしなやかな気性だったのかもしれない。たおやかに咲き誇りながらも、どんな風にも折れることのないヒナゲシの花のような少女を彼は愛したのだ。
「―なるほど、それでこそ愛奈だな」
 拓人が言い、フと笑った。物問いたげな愛奈に向かって、彼は淡く微笑った。
「俺は素直に身を任せる愛奈も好きだが、以前のように泣いたり笑ったりするお前の方が良い。強くて意地っ張りで、何ものにも屈さないお前を俺は欲しいと思ったんだ」
 そう、自分が欲しいと望んだのは、どんな卑怯な手段を使ってでも手に入れたいと望んだのは人形のように言いなりになる性の玩具ではなかった。風にゆらめく七色の光のようにくるくると表情の変わる少女の眩しさを彼は愛したのだから。
 その時、拓人の脳裏に去来した想いを愛奈は知らなかった。容易く願いが聞き届けられるとは思ってはおらず、ただひたすら息をつめて男からの返答を待った。
 永遠とも思える沈黙の後、拓人が口を開いた。
「良いだろう、どうせあと一年もないんだ。せめて高校は卒業しないとな」
 愛奈は弾かれたように顔を上げた。まさかこう容易く承諾を得られるとは考えていなかったのだ。
 だが、と、拓人が愛奈を強いまなざしで絡め取る。
「このままでというわけにはいかない。俺の歓ぶことを愛奈がしてくれたら、高校には今までどおり行かせてあげよう」
「拓人さんの歓ぶこと?」
 小首を傾げた愛奈に、拓人が頷いて見せた。
「判らないわ」
 しばらく考えても、応えは見つからなかった。途方に暮れてまなざしで訴えかけると、拓人が小さく含み笑う。
「相変わらずのねんねだな。どれだけ俺に抱かれても、お前は無垢なままだ。いや、身体の方だけは俺好みの嫌らしい身体に見事に開発されたか」
 わざと愛奈の羞恥を煽るような言い方をする。
「それなら、教えてやろう。その愛らしい口で俺を歓ばせるんだ」
 それでも愛奈は、まだ、きょとんとしている。拓人は小さく肩を竦め、いまだつくろげたままの下肢を指さした。愛奈の小さな顔が見る間に強ばってゆく。
「まさか―」
 拓人は愛奈の反応を心底から愉しむかのように微笑む。
「そう、お前の考えているとおりだよ。これまで俺は色んなことをお前に教えてきたが、そろそろレッスンも次の段階に進んでも良い頃合いだろう。女はベッドの上では男に与えられるだけではいけない。さあ、ここに来て、やってごらん」
 愛奈は拓人の前に跪いた。ズボンの股間からはあれほど烈しい営みを重ねたにも拘わらず、いまだ大きさを保った彼自身がそそり立っていた。
 この男は、これを舐めろというのか。
 愛奈にとっては到底、従いがたい要求であった。今、天を向いて屹立していたこれは、愛奈にとっては排泄器官でしかない。けれど、この命令を拒めば、高校に行けなくなる。
 愛奈は瞳を閉じた。閉じた眼を開けば、涙がこぼれてしまいそうだ。でも、こんな男の前では涙ひと粒も見せたくはなかった。
 意を決して眼を開き、顔を彼自身に近づける。
「どうしたら良いのか、やり方が判らないわ」
 どうしても声が震えるのはこの際、致し方なかった。
「俺の言うとおりにやるんだ」
 愛奈は彼の命令どおり、まずは竿におずおずと舌を這わせた。それから先端を口に含み、縁を描くように舐めてみる。亀頭の窪みを舌先でつつくと、拓人は小さなうめき声を洩らし腰を揺らめかせた。
「なかなか上手いじゃないか。お前はやはり、生まれながらの娼婦だな。お前の身体も何もかもが男を歓ばせるために存在しているんだ、愛奈」
 拓人の声には抑えがたい情欲の焔が点っている。たどたどしい舌遣いがかえって彼をそそったことを愛奈は知らない。夢中で屹立を舐めている中に、先端から酸っぱいようなほろ苦いような液体が滲み始めた。
「見てごらん。お前が俺のを銜え込んでいるところが見える」
 ふと、その言葉に何気なく視線を動かした愛奈はあまりの衝撃に息を呑んだ。