小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

涼子あるいは……

INDEX|196ページ/217ページ|

次のページ前のページ
 

私はあなただけではなく、校長とも、他の先生方、特にアジールのかた達とも、そして、生徒たちとも寝ていました。校長とアジールの方たちは、いわば私の敵です。しかしその敵を性の相手にすることこそ、子供のころからの私の変態性を満足させてくれました。私のたくらみを実現するための助けともなりました。私は前任の女性さえ相手にしてしまった。個人的には校長は義父に似ていたし、女性の方は元気だった頃の母に似ていました。二人とも癌ですけどね。校長は、腫瘍レベルが3Bで、慢性肝炎と自分ではいってますが、肝臓癌です。あの女性も子宮癌の摘出手術を十年前に受けていますが、転移が見られます。みなさん、ひとりひとりは、先は長くないもの、かわいそうでしたよ。
かわいそうだと大人たちに対してだけ言っているのではありません。たとえば、太郎君は、みんなはスーパーマンだといっていますが、とても傷つきやすい、臆病なくらい繊細な子でした。友彦君は悲劇を生きていました。
さて、私の性欲は長い抑圧期を脱して一挙に爆発してしまい、対象を大人以外にも求めました。義父が私に乗り移って悪魔の所業を犯し始めました。生徒達との交換日記を読んだあなたにはもうお分かりでしょうが、特にあの頃の私ぐらいの子供たち、十歳か十一歳で小学五年生の子たちには、異様に嗜好が傾き、なんとも我慢ができませんでした。たとえば友彦君。
去年、あの子に初めて射精させたときは感動しました。生物としてもともと興味深い対象でした。赴任してからすぐに、どうしてやろうかと眼をつけていました。あの子は肉体と精神を総動員して私に反応しました。それを示す端的な言葉、ぼくはこのまま先生の内部にとどまり続けたい、は、私をうれしがらせました。私はあの子を身ごもったようにさえ思いました。
しかしこういう関係はただではすみません。あの子は超人的な学習能力を発揮して、私があの子に教える以上のものを学習してしまった。私をあの子に向かわせている衝動そのものを消化吸収してしまった。私はあの子を感染させてしまった。もちろん私は、あの子にいくら詫びてもわび足りないけれど、悪の権化でもある私は、同族の者が増えたのでうれしがってもいたのです。
作品名:涼子あるいは…… 作家名:安西光彦