SECOND HALF
部活の話が長くなったけど、実はあまり話の本筋には関係ないんだ。
清川先輩には5歳年下の妹がいて、俺がしょっちゅう清川先輩の家に遊びに行っている間に仲良くなって、そのうちに付き合うようになったんだ。確か、俺が大学3年の頃だ。
名前は清川加奈子っていうんだけど、本人は7文字しかない名前の中に一文字おきに4つもカ行の文字があって、なんだか固いし噛みそうな名前だからって言って、あまり気に入ってなかった。
だから俺は、呼ぶときはいつもカナって呼んでて、本人もそう呼ばれるのが気に入っていた。
カナは俺の名字が柔らかい語感ですごく気に入ってた。だって、不破って、なんだかふわっとしてていいでしょう、とか言うんで、俺はいつもおやじギャグかよって、突っ込んでた。
俺は大学を卒業して今の会社に無事就職した。同じ年にカナは大学の薬学部に入学して、薬剤師の資格を取って卒業後は病院の薬局に就職した。今と違って当時の薬学部は4年制だったから、俺が就職した4年後のことだ。
で、就職して俺が5年、カナが1年経った頃、そろそろ多少の貯金もできたし、結婚するかって言うことになって、俺とカナは結婚した。
披露宴では、俺の高校・大学のラグビー部仲間ばっかりで、事情を知らない親戚の人たちは、新郎側のテーブルがでかくてごつい男ばかりなので面食らっていたっけ。
こうして清川先輩は俺の義兄になった。
作品名:SECOND HALF 作家名:sirius2014