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SECOND HALF

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最後には俺はひたすら畳に額をこすりつけて、結婚を認めてもらうよう、お願いするだけだった。佳奈も俺の隣に座って、一緒に頭を下げ続けた。
お母さんは傍目に見てもわかるほど、はらはら・おろおろしながら、なんとか父親にとりなそうとしていたけれど、お父さんには通じなかった。
お父さんが半分切れかかって「もう帰れ!」と大声を上げたときだ。
いきなり和室の襖がガラッと開いた。そこには当時高校2年生だった佳奈の妹の美奈が仁王立ちしていた。きっと、隣のリビングルームでずっと聞いていたのだろう。
「お父さんっ! さっきから聞いていれば、お姉ちゃんのこと、なんだと思ってるのっ!」
いきなりそう叫んだ美奈とお父さんの口論が始まった。
「なんでお姉ちゃんのこと、もっと信用してあげられないの。お姉ちゃんが選んだ人なんだよ。」
「お姉ちゃんには幸せになる権利があるし、例え親だって、それを邪魔する権利なんか無いっ!!」
「結婚して後悔するかどうかなんてわからないし、もしそうなったって、今の後悔すらできない状態よりはよっぽどましでしょ!!」
これが美奈の主張の要点だった。俺は頭の上で行きかう言葉をはらはらしながら見送り続けた。
ちょっと、やばいな・・・俺のせいで派手な親子喧嘩になってるよ・・・出直した方がいいかな・・・
と弱気になり始めた頃、突然美奈が泣き出した。
「わたし・・・お姉ちゃんのウェディングドレス姿を見たい・・・」
美奈はそう言うと、立ったままぽろぽろと涙を流した。お父さんは気まずそうに黙り込んだ。
そのとき、部屋の中に耳慣れない声が響いた。

作品名:SECOND HALF 作家名:sirius2014