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SECOND HALF

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それからしばらく俺と佳奈の交際は続いた。
もうカナと佳奈の違いははっきりと分かるようになっていた。でも、笑った顔はやっぱりそっくりだった。
カナがいなくなって、白黒の世界になってしまった俺の生活に、鮮やかな色彩を取り戻してくれたのが佳奈だった。
俺は最初は、カナに似ていることから佳奈に惹かれたんだけど、今はカナとは違う佳奈そのものに惹かれていた。俺はもう佳奈といつも一緒にいたくなっていた。
その一方で、カナに対してずっと後ろめたい気持ちもあった。
カナがいなくなって、まだ2年も経っていなかった。俺がこんな気持ちでいることを知ったら、カナが悲しむんじゃないかって思った。
カナの写真を前に置いて、カナに、俺、佳奈と結婚してもいいかな、って尋ねたけど、カナは何も言ってくれなかった。あたりまえだよな。
自分で自分の気持ちを処理しきれなくなった俺は、清川先輩に相談した。
清川先輩は、自分の気持ちに正直になるべきだ、その方がむしろカナは喜ぶだろう、と言った。
俺が、でも、カナは怒ったり悲しんだりしないかな、って言うと、清川先輩は本気で怒りだした。
バカヤロウ、おまえはカナがそんなやつだったと思ってたのか、だとしたらおまえはホントにバカヤロウだ、おまえが幸せになることを、カナが怒ったり悲しんだりするはずがないじゃないか、ってね。

作品名:SECOND HALF 作家名:sirius2014