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SECOND HALF

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俺と佳奈は、それからドライブに行ったり、映画を見に行ったり(吹き替えじゃなくて字幕版ばかりだけど)、食事に行ったりした。
それは、普通のカップルと同じような付き合いだったんじゃないかな。二人の会話は、やっぱり普通の人よりはスローペースだった。普通の人が10分かける会話は、俺たちは1時間かかった。でも、すぐに消えてなくなってしまう言葉じゃなくて、後で読み返すことができる文字でのコミュニケーションだったから、その分、より深い会話だったんじゃないか、って俺は勝手に思ってるんだ。

カナの一周忌があった。俺と俺の両親、カナの両親と清川先輩の6人だけで集まった。
もう、あれから1年経ったんだなって、ずいぶん早い気がした。
カナの両親から最近の俺の様子を聞かれた。
清川先輩とはたまに会って酒を飲んでいたので、ある程度の近況報告はしていたが、清川先輩から両親にどこまで話が伝わっているか分からなかったので、何も知らない前提で、付き合っている女性がいることを話した。
お義父さん(元お義父さんだよな。ちょっと抵抗があるけど、これから元を付けることにする。)も元お義母さんも、喜んでくれた。でも、少し寂しそうにも見えた。
元お義母さんが遠慮がちに、もし結婚が決まったら、迷惑でなければ一度ご挨拶させていただきたい、と言ったのが、なんだか切なかった。
神妙に分かりましたとだけ答えた。そうとしか答えられなかった。

作品名:SECOND HALF 作家名:sirius2014