SECOND HALF
それから、その女の子は俺のメル友のようになって、頻繁にメールのやり取りをするようになった。
メールで名前を教えてくれたんだけれど、その子は『雪下佳奈』という名前だった。顔だけじゃなくて、名前まで似ていて俺は驚いた。それから、年齢は当時24歳で、俺の4歳年下だった。もっと若く見えたんだけど。
2ヶ月くらいそんな関係が続いて、だんだん佳奈のことが分かり始めた。
顔と名前は似ていても、やっぱり佳奈は佳奈で、カナとは違っていた。佳奈のことが分かって来れば来るほど、俺は佳奈に会いたくなった。
そうそう、少しややこしいけど、カナと佳奈って、書き分けることにする。カタカナのカナが死んだ妻、漢字の佳奈が、カナによく似た女の子な。
俺は意を決して、佳奈に会って話をしたいと、メールを送った。
その返信が返って来たのは、3日後だった。いつもは遅くとも翌日には返信が来るのに、やっぱり変なことを言われて悩んだんだろうか。
でも、返事はOKだった。ただ、なんだかはっきりしない書き方だった。佳奈は俺に何か内緒にしている気がした。
で、俺は日曜日に、佳奈の家の最寄駅の駅前のあるカフェで、佳奈と会った。
作品名:SECOND HALF 作家名:sirius2014