SECOND HALF
翌週の水曜日。
出社して自分のパソコンを立ち上げ、メールボックスを開くと、見慣れないアドレスのメールが入っていた。
毎日大量に送りつけられてくるメールマガジンの類だろうと思ったが、メールアドレスの一部に『under-snow』という文字が見えた。ん、under-snow・・・下、雪・・・雪下? そう思った俺は気になって、プレビューウインドで文面を見てみた。
そのメールは、あのカナに似た女の子からだった。
「先日、あなたに助けていただいた者です。
本当に怖かったので、家まで送ってもらってうれしかったです。
○○会社に勤めているのですね。
これから○○会社を応援します。
本当にありがとうございました。」
なんで俺のメールアドレスや勤め先を知っていたのだろうと疑問に思って、すぐに名刺を渡したことを思い出した。こんなことも失念するほど、あのときは舞い上がっていたんだろう。メールを読んで、俺はなんだかとてもうれしくなってしまった。
俺は早速、返信を送った。お礼に対するお礼のメールだったけれど、なんとなく勢いで、またメールを送ってもいいですか、と書いてしまった。
送信ボタンを押してしまってから、少しだけ後悔した。あの子はどう見ても二十歳前後で、30歳近いおっさんが言う言葉じゃなかったな、って思ったんだ。
でも、間もなく返信が来た。答えは、OKだった。俺はまたしても舞い上がってしまい、すぐに返信した。このアドレスは仕事用なので、これからはこちらの携帯電話のメールアドレスに下さい、と書いて、携帯電話のメールアドレスを添えた。
すると、すぐに携帯電話にメールが着信した。やっぱり彼女からで、「了解です」という内容だった。
作品名:SECOND HALF 作家名:sirius2014