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瀬間野信平
瀬間野信平
novelistID. 45975
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火付け役は誰だ!2

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「…言葉は聞こえんが、ふとツッコミは苦労性だなと実感する1日だったな。」
「に、兄さん私の顔がツッコミどころ満載なくらいのダメージを負っているのはスルーなの?」
「頭のクレイジーさが顔とシンクロしたんだろ黄泉醜女。良かったな初の日本神話にランクインだ。デビューおめでとう、桃投げつけてやる。」
「そんなことレディーに言っちゃいけないんだ、食べちゃうぞ色んな意味で!!それ以前に女性の顔殴るなんて!!兄さんにも殴られたこと……一杯あるね……」
「…顔じゃ足りないだと……」
「兄さん兄さん驚愕の眼差しのまま望遠鏡になんだか尖ったアタッチメントつけないで!!本当に黄泉に行っちゃうその鋭さ!!」

先程までこの学校から少しばかり離れたビルの屋上ではシメルタのしくじりを逐一見ていたヨウタの折檻が行われていたらしい。
少なくともその折檻で望遠鏡は正しく使われていなかったが、それだけやられてもさしてめげないシメルタもシメルタだった。

「あちらさんに動きだ、そしてもうすぐ夜になる、活動時間が訪れるわけだ。」
「兄さんパジャマ持ってきた?お泊まりセットは?テディベ」

ここまで言った所でシメルタは吹き飛びフェンスにめり込んだ。

「死ぬか葬式か。神に祈る間はやらん。」
「に、兄さん待ってこのままじゃ不戦敗になりそう……」
「次馬鹿にした場合この望遠鏡がお前の体と一体化するからな。」
「わぁい見事に貫通するんだね兄さん!!ラジャーだよ!!誰も夏休みの標本採集みたいにされたくないよ!!」

高速で頷くシメルタに半ば諦めたようにヨウタは肩を落とす。

「まず根本から仕掛け方の方を考えてなかったからな。こっちはこれが初戦だ。まったく、数ヶ月たって初戦ってのも腑に落ちないが。」
「向こうの元気な四人組も初戦じゃないかな兄さん?」
「それにしては人数がおかしいだろ。通常バディと妖精ワンセット、計二人だ。そもそもの所、『妖精が二人もいる』とは聞いてない。ということはどちらかが妖精ではない可能性はあるかから疑う必要がある訳か?」
「いや、それはないよ兄さん。私が見てきた感じだとあれ『二人とも』妖精。」
「……二人も相手いるのか?」
「yes兄さん。」

ということは相手がどちらかを負かせ、従わせているか、協力関係にあるかの二択。
協力関係にある場合は戦い自体は初戦の可能性もあるが、双方消耗していないのだからなお厄介となる。
どちらにせよ妖精が誰で何をしてくるのかが分からないと苦しいのだが、何をしてくるのか探るはずだったシメルタはこの様子。
直接当たる方が早いかとも考えたヨウタだがここで一旦思考を止めた。

「……因みにさっきの、妖精が二人説、一応聞くが根拠は?」
「野生の勘!!」
「絶滅させてやろうか野性動物。」
「待って兄さん文明の利器で野性的に絶命させないで!!」

「そうは言ってもお前頑丈だろ、『人間』。」
「貴方も言えないでしょう、現世にハマる『妖精のお兄さん』?」



≡≡火付け役は誰だ!≡≡

作品名:火付け役は誰だ!2 作家名:瀬間野信平