Monster Factory 『すべてのはじまり』
プレッチェロとのであい
プレッチェロと会ったのは、寒い日の夜。
ジョニーが寒くて寒くてふわふわした物にくるまってゴロゴロしていた時の事です。
ジャックとロッティが息を切らせてやってきました。
「少しの間、預かってもらえないかな。」
ジャックはロッティのポケットで寝ている小さな子供を取り出しました。
黄色の体に頭に金色の毛がふさふさしています。
「あれ、その子はオレンジの家の子じゃん。」
ジョニーは子供なんてどうやって抱くのかわからず恐る恐る受け取ります。
「どうやら、そのこの両親があの病気になってしまったらしい。」
あの病気とはモンスターたちが恐れる怖い病気です。
いい薬がみつからないのでかかってしまうと助かりません。
ジャックは悲しい顔。ロッティは今にも泣きそうです。
「その子の名前はプレッチェロ。小さく見えてもしっかりしてるから。」
そういって二人は家を出ていきました。
ジョニーはうんうんとうなづき、小さな子供プレッチェロを抱きながら二人を見送りました。
部屋に入って暖炉に火をつけ、寝ているプレッチェロをふわふわの上に置いて、またふわふわをかけました。自分の親も幼いころ同じ病気でなくしたので、ジョニーはその時のことを思い出していました。
つらいだろうな。そうおもったら涙がでてきました。
その時プレッチェロが目を開けてこちらをみていることにきづきました。
「あ、起きたのか…」
涙をふいているとプレッチェロが話し出しました。
「泣いてるの?さみしいの?僕がいるから泣かないで。ママが泣くと体の水分がなくなって元気がなくなるって言ってたよ。」
ジョニーはこんなに小さいのによくしゃべることに驚きました。
「じゃぁお前はなくなよ?」
ジョニーはプレッチェロの隣に座って頭をなでました。
「俺がずっと一緒にいてやるから。」
プレッチェロは、どういうことかわからないけれど、とりあえず「はーい」と言っておきました。
その後、プレッチェロは悲しい事実を知ることになりますが、
涙ひとつ流さずジョニーの手を強く握っていました。
それから、ずっとジョニーと一緒です。