Monster Factory 『すべてのはじまり』
親友のジャック
ジャックはジョニーが人間の世界に行くという話を聞いたときは正直賛成できませんでした。
ジャックはずっと「こっちの世界の何が嫌なんだ。何かあった時、みんなはどうするんだ」と言い続けました。
みんなに何かがあったらすべての責任をジョニーが背負わなくてはならないからです。
その姿を想像するとジャックは容易に賛成できませんでした。
ジョニーはとにかくケイトが自由に使っていいと言ってくれた工場を見てほしい!と
ジャックを人間の世界に連れていくことにしました。
初めて工場を見たジャックは、思っていた以上に汚いぼろぼろの外観に驚きました。
しかし、周辺は美しい緑でいっぱいでした。こんなに鮮やかな色は見たことがありません。
「この場所でケイトにあったんだ。」
そういって大きな木を触るジョニー。
「人間なんて危ない。何かあったら敵になる。」
ジャックは何度もやめるように言いました。
「でも彼女の目はシャーロットの目の色に似ているし、キャロルみたいに目をキラキラさせるし、リップルみたいにオシャレで、ジャックみたいにいつまでも話を聞いてくれて力になってくれる。モンスターと何も変わらないよ。」
ジョニはー真剣な顔で
「こっちにどうしても来たいんだ。」
といいました。ジャックはその目を見て仕方ないなと思ったのです。
反対してもこいつは一人ではじめるだろう。
「仕方ない手伝うよ。まずこの汚い建物をどうにかしないと…」
ジャックは工場に向かって歩き出しました。ジョニーは嬉しくて飛び跳ねたい気持ちを抑えながら
にこにこジャックのあとを付いてきました。工場はとても古いので使えるようになるまで大変そうだなとジャックはため息をつきました。
「とりあえず綺麗しよう。」