Monster Factory 『すべてのはじまり』
落ち葉とペンネ
編集途中プレッチェロは、急いでバックにいろんなものを詰めていました。
ケイトにもらった虫眼鏡とか森で拾ったどんぐり、あと輪ゴム!そして人間の世界でたくさん集めた秘密のもの!
こんこんこん、とドアをノックする音が聞こえました。一番近くにいたジョニーがドアを開けて
「いらっしゃい。今ね、顔洗ってる、かも。」
と言ったのが聞こえたので
「バックに虫眼鏡入れてる!」
と大きい声で言いました。すると
「早くいこうよ!」
という声が聞こえました。ピンクの通せんぼ好きなフローラです。
プレッチェロは急いでぱんぱんのバックをもってドアの方へ向かい、フローラに「いこ!」と声をかけて出ていきました。
ジョニーはまだまだプレッチェロが心配で姿が見えなくなるまでドアを閉めずに見ていました。なぜあんなにバックがパンパンなんだろう。と思いながら…。
プレッチェロからもジョニーの姿が見えなくなると、わくわくしながらフローラに
「ペンネ来れるって?大丈夫だって?」
と聞きました。フローラは
「大丈夫だって!楽しみねー!」
二人はとても興奮しています。
走ったり、くるくる回ったりしながら、ペンネのところへやってきました。
「ペンネー!!!」
と二人が駆け寄るとペンネはニコニコして
「持ってきた?!」といいました。
「持ってきた!!」
と二人が同時に言うと、プレッチェロはバックを開けてひっくり返しました。出てきたのは、虫眼鏡とどんぐりと輪ゴム、そしてたくさんの落ち葉!(バックにぎゅうぎゅうに入っていたのでちょっとぐちゃぐちゃになってしまいましたが。)
「わぁ!」とペンネとフローラは落ち葉をさわり目をきらきらさせました。
プレッチェロは虫眼鏡の使い方とどんぐりの紹介と輪ゴムの飛ばし方を教えました。落ち葉の上でペンネとフローラは人間の世界の物に感動していました。
「いつか工場に行きたいなぁ。お母さん怒るからなぁ」
フローラは言いました。ペンネは落ち葉をもってパタパタさせていました。
「これがたくさん落ちてるなんてどんなところなんだろう。」
二人はまだ工場には行ったことがありません。
人間の世界に行くのは良くないとお母さんとお父さんに言われているからです。(ほとんどモンスターは人間は怖いものだと思っています。)
プレッチェロは話し始めました。
「森っていうところに、落ち葉がたくさん落ちているんだけど、この間見たんだよ。風で踊る落ち葉を!くるくると落ち葉が風にのって回るんだ。ケイトが、ケイトは友達の人間なんだけど、ずっと言ってたんだ、秋は落ち葉が踊るって!!」
フローラとペンネは話しを聞きながら落ち葉が踊るのを想像しましたが、ちょっと違いました。
「それで、ペンネを思い出したんだよ!君、空気を巻けるだろ!あれだよ!あれに落ち葉がのったら踊るんだ!」
プレッチェロは興奮しすぎてよくわからなくなっていましたが、それはフローラもペンネも同じでした。ここでも、落ち葉のダンスが見れる!という気持ちでいっぱいになり
「すごい!やってみる!やってみよう!」
とペンネが落ち葉の真ん中に立ちました。ペンネはゆっくりと体を回しました。そしてブルーのしっぽがもわっと少し大きくなってペンネの体に巻き付きました。ペンネは、風を巻けるモンスター、竜巻のようなものが作れるのです。
落ち葉はふわっと浮き上がりペンネから少し離れていきました。そしてゆっくりと空にあがっていきます。プレッチェロとフローラは「わぁ」と言って落ち葉が上がっていくのを見ていました。このあたりでペンネが止まってくれたら、ちょうどあの森の感じかなとプレッチェロは思いましたが、ペンネにはわかりません。ペンネはもっと早く回ってもっと早く回ったのです。落ち葉は一瞬で空高く舞い上がりプレッチェロはすごい力に感動して「すごいすごいすごーい!」と叫んでいました。
ペンネがゆっくりと回転をやめて
「思ったけど僕はよく見えないよ!見えた?」
と言いました。がまわりにあった落ち葉は一つもなくなっていました。プレッチェロは
「ホントにすごい力だね!びっくりしちゃうよ!」
と落ち葉のことはすっかり忘れていました。すると
「見て!見て!もどってきたよ!」とフローラが手を振りながら叫びました。
空を見上げるとペンネが起こした竜巻にのって空高く飛んで行った、たくさんの落ち葉たちがはらはらと落ちてきたのです。雪の様に落ち葉が降ってくるのです。それはとても綺麗な光景でした。三人は落ちてくる落ち葉が(変な表現ですが)すべて落ちてくるまで走って跳ねて大騒ぎしていました。
落ち葉は、いろんなところに広がって落ちていきました。
家にいたジョニーは窓から落ち葉が落ちてくるのをみて、何で落ち葉が!と急いで外にでましたが、すぐにプレッチェロのバックを思い出して「中身はこれか。」と落ち葉を数枚拾って家の中に戻りました。