Monster Factory 『すべてのはじまり』
フローラ
編集途中ある日、プレっチェロはブーの家へ向かっていた。
みんなは工場に行ってしまったが、どうしても病気のぶーが心配で今日は一緒にいてあげたかったのだ。
ぶーの家はなぜか大きな岩の上にある。
岩の下から家までまっすぐ階段があればすぐに家に入れるのに
階段が岩のまわりをぐるぐる3周している変な家。
それが大変だからとブーはいつもは近くに住んでいるシャーロットの家にいる。
その変な階段の家まで行くのに、浅い細い川をわたらなくてはならない。
いつもなら川に入って遊びながら行くけれど今日はパンとスープを持っているし
ブーの家にあがるから橋を渡ることにした。
ジョニーを3人寝かせたくらいの短い橋だけど。
ちなみにこの橋はシャーロットが15人目の子供を産んだ時にゴウが作ってくれたもの。
その橋までの道も綺麗に通れるようにしてくれた。
ゴウはあまり話さないけど、とても優しい。
僕は大きくなったらゴウみたいになりたいと思う。
川の音が聞こえてきて、そろそろ橋だなと思った時、橋のそばにフローラがいた。
「フローラ!」
と僕が呼ぶとフローラは一瞬嬉しそうに笑った。
そして、短い手をピーンとのばして橋の入り口の真ん中にたった。
「ここはあたしの許可がないと通れないよ!」
フローラはいつも通せんぼをする。
一緒に遊びたいからだ。
「うん。知ってるよ。久しぶりだね。元気だった?」
僕はいつものことなので普通に挨拶した。
「元気だよ!どこいくの?ここは通さないよ!!」
フローラはちょっとめんどくさいけど可愛いと思う。
ブーが病気だから家まで行くことを話すとフローラは嬉しそうに
「一緒に行く!」と言った。
そういうことで友人が一人増えてブーの家の前に着いた。
二人で変な階段をのぼり、扉の前へ。
「ブー!具合はどう?」
軽くノックをして入ってみるとブーは床でケイトからもらったパズルをしていた。
「あ、プレッチェロ!あ、フローラ!!」
ブーは嬉しそうに笑ったがまだ少し辛そうだ。
パンとスープ、シャーロットが用意してくれていたお菓子、
それと大きな黄色い木の、細い枝にできるグリーンの小さな実を持ってきた。
その実のことは、よく知らないけれど、体が重くなった時に食べると元気になる。
僕が具合が悪くなるといつもジョニーは急いで取ってきて食べさせる。
ブーはパンとスープを少し、実を一つ食べてから寝た。
僕とフローラはパズルをしたり、洗い物をしたり、人間の世界の話をした。