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モンスターファクトリー
モンスターファクトリー
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Monster Factory  『すべてのはじまり』

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メメロとの戦い

編集途中


メメロは人にかみつくモンスターでみんなに嫌われていました。体は小さいのでたいしたことはありませんが、
四角い歯があるのでやっぱり痛いのです。

ある日、プレッチェロとフローラがメメロにかまれて泣いて帰ってきました。
ジョニーは怒ってメメロと戦うことを決意してオレンジのブロッコリーみたいな木がある森へ出かけたのです。
メメロはシーと同じ種類のモンスター。
木に登ることができる者がシーになり、木に登ることができない者がメメロになったのです。
長い年月でクリアブルーの体は森の色にそまり動きも蛇のように早くなりました。手はないので歯が発達しました。
メメロたちは、木に登ることができないことを恥じて姿を隠すようになりました。
卑屈になりモンスターを見つけては、追いかけて噛みついたりするのです。

ジョニーも幼いころに会ったことがあり、噛みつかれました。
それ以来、メメロの森には近づかないのです。

オレンジの木の間を歩きながら、グリーンの体を探し出しました。
幼いころの記憶をゆっくりと流しながら、あの不思議なグリーンを探したのです。
ブルーとグリーンが混ざった不思議な色。初めて見た時はなんて綺麗なんだろうと思ったものです。

少し歩くとメメロが小さな木の枝を食べているのを見つけました。
そしてメメロもジョニーに気づきました。
ジョニーは話をしようと口を開いた瞬間、すごい速さでメメロが突進してきました。
「うわぁ!!」
思い出したのは子供の頃の恐怖。ジョニーは逃げ出そうとしたのです。
でもプレッチェロとフローラの泣く顔も思い出し、踏みとどまりました。
メメロがジョニーの目の前にくるのは一瞬でした。
そしてメメロの頭を押さえようと前に出したジョニーの腕にかみついたのです。

「いたたたたた!!!」
ジョニーは反対の手でメメロの頭を叩き手を引き抜こうとしました。
でもその時ふと思ったのです。本気ではないなと。
それに気づいてジョニーは痛みを忘れて話しかけました。
「メメロ!なんで噛みつくんだ!」
メメロは噛みつきながらジョニーを見上げました。
「よく考えたらそんなに痛くないじゃないか。口の動きで加減してるのがわかるよ。」
メメロは目をほそーくして、ゆっくりと口をあけました。ジョニーはよだれだらけの自分の手を見て、続けました。
「よだれをつけたいのか!!!」
ここまでくるとジョニーは理由が知りたくなり聞くまでは絶対に帰らないモードになっていました。
「なんで?噛みつく理由が知りたい!」
メメロは細い目をぱちぱちと二回瞬きして、小さな声でぼそぼそと話し出しました。
「…見られたくない。誰にもね。この姿を。僕たちはシーじゃない。役には立たない。美しくないんだ。」
ジョニーは驚きました。
「なんだって!!こんなに綺麗な色なのにかい?たくさんのモンスターを知っているけど、こんな色は見たことがないよ?」
ジョニーはメメロの頭を触りました。メメロは少し目を開きました。触られるのも誉められるのも初めてなのです。
「メメロは充分美しいし、役に立ってるよ。森を大切に守っているじゃないか。この森はどこの森より綺麗なんだ。
君は知らないだろう?ここに隠れて皆をおどかしてばかりでは、森の美しさだって、自分の美しさだってわかるわけがない!!」
ジョニーの大きな声は森中に響いていたのでしょう。
森の中にいたメメロの仲間たちが集まって木の陰からのぞいています。
「シーとメメロは関係ないよ。君たちには君たちの良さがあるんだ。」

ジョニーが言い終わるとメメロは目を細くして森へ帰ってしまいました。
隠れていたメメロの仲間たちもいっせいにいなくなりました。
ジョニーは草の動く音を聞きながら、伝わらなかったか…と肩を落としました。
そしてゆっくりと家に帰ったのです。


そして、次の日の朝、どうしたものかとまだ悩みながら窓の外を見るとドアの前に何かがあることに気づきました。
ジョニーはドアをそっと開けてみました。するとオレンジ色の木の実が置いてあったのです。
草で作った器にサクランボくらいのオレンジ色の実がぎっしり。
これはメメロ達が住んでいるオレンジ色の木になる実で大変おいしいのです。
いつも採りに行きたくてもメメロ達がいるので諦めていました。

草の器を両手でゆっくり持ち上げました。
メメロがここまで持ってきてくれたんだな。わかってくれたんだ。
ジョニーは実を一つ口にいれ、甘酸っぱい素敵な味を噛みしめました。

このあとにジョニーは他のモンスターの家にも同じようなプレゼントがあったことを知りました。
必死でメメロ達の事を話し、悪いやつではないと広めたのです。
その後、いろんなところでメメロと会うようになりました。
みんなと話すのはまだぎこちないけれど。

メメロはオレンジの木の実を配って気づいたのです。
シーと違って木には登れない。クリアブルーの体でもない。テレパシーもない。
けれどシーは木の枝がないと生活できない。でも僕らはいろんなところに行けるんだと。
それって最高。それに…みんな誉めてくれるんだ。