Monster Factory 『すべてのはじまり』
モックとの再会
モックは小さいころ、ジョニーとよく遊んでいた友達です。
モックの種類のモンスターは何年かに一度住むところを変える習性があり、遠い所へ引っ越してしまいました。
しかしジョニーは噂を聞いたのです。モックがジョニーの町に戻ってきたと!ジョニーはその噂を聞いてから何日もそわそわしていました。
いつ会いに行ったらいいだろう?まだ忙しいかな?ちゃんと覚えているかな?と考えていたら次の日にモックが会いに来てくれました。
ドアを開けた瞬間、お互いの姿にびっくりした二人。
「角が生えてる!!!」
ジョニーはびっくり!まんまるのボールのようだったモックに立派な足まであります。
「お前はデカくなったな!」
モックは久しぶりに会えたジョニーに抱き付きました。二人ともだいぶ姿が変わりました。
「久しぶり!」
「本当に久しぶりだ!」
ジョニーはバシバシとモックの肩を叩き、家の中に招き入れました。
家に入ってプレッチェロを紹介し、紅茶とお菓子を出しました。
「これ何?見たことないんだけど。」
モックは袋に一つずつ入ったお菓子を指さしました。
「中にクッキーていうのが入ってるんだ。」
ジョニーは袋を切って出して見せました。
「へぇクッキーっていうんだ。お茶もいい香りだね。」
モックは鼻を近づけてにおいをかぎました。
「人間の世界ではこうやって出すんだって。」
とジョニーが言ったのでモックはびっくり。
「人間だって??!」
ジョニーは赤頭をかきながら
「人間の友達ができて、人間の世界に行ってるんだ。」
と言いました。モックは驚いて固まってしまいました。プレッチェロはそんなモックを見て笑いながら説明を始めました。
モックは話を聞きながら紅茶を飲み、クッキーをかじります。
「どう?なんとなくわかった?」
プレッチェロは得意げに言いました。いろんなモンスターに話してきたので説明がとても上手なのです。ジョニーというと紅茶の中にクッキーを落としてしまい焦っています。
「ジョニーは昔から怖いものなしだなぁ。」
「昔からなの?」
プレッチェロはモックに紅茶のお代りを入れながらわくわくして聞きました。
「昔から真っ暗なところでもどんどん入っていくし、何でも食べちゃうし、怖いものなしっていうかバカなのかな。」
ジョニーは紅茶の中のクッキーがふやけてきたのを見て、もういいやとプレッチェロの紅茶を飲みだしました。
「それでうまくいってるのか?」
とモックが言うとジョニーは待ってましたと顔を上げて
「すごく楽しくやってる!お前も遊びに来いよ!綺麗でいい所なんだ!」
プレッチェロもニコニコしながら続けました。
「ホントいいところだよ。」
モックは紅茶を一口飲んで
「そうだな、一度見に行きたいな。」
と微笑みました。