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Da.sh Ⅲ

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 哲は、断られたことを理解した。明良の胸倉をつかみあげると顔を近づけ、睨みつけてきた。それが合図となった。龍神会の他のメンバーが近くにいる者につかみ掛かり、乱闘となったのである。
 双方入り乱れて、ヘルメットが転がった。バイクに押し倒されて殴られる者、それを蹴りあげられて、バイクの反対側に転げ落ちる者。
 凄まじい怒号と、バイクにぶつかりあるいはバイクとともに倒れる音が、パーキングエリアに反響した。
 明良の技と膂力、また意外にも小柄な俊介は、俊敏な足の動かし方で相手にダメージを加えていった。
 しかし、俊介の動きは見切られると、振り上げた足をつかまれて引き倒されそうになった。バイクのハンドルを咄嗟につかんだ俊介は片足のまま方向転換するとその軸足をも振り上げて、片足を引き寄せた男の顎を蹴りあげたが、小柄な俊介の蹴る力は弱かった。顔をひょいと後ろに倒した相手はその脚をもつかみ上げ、思いっきり引っ張ると、大きな音を立ててバイク共々にひっくり返った。
 明良がその男の襟首をつかんで俊介から引き離すと、向き合った瞬間に拳を、その男の顎から頬にかけて繰り出していた。

 誰かが叫んだ。
「パトカーだ!」
 その声で、誰もの動きが止まった。龍神会のメンバーは素早い動作でバイクに飛び乗ると、本線に向かって走り去った。彼らはバイクに無線を装着し、連絡を取り合っていたのだ。喧嘩の時には見張りを立てること、彼らにとっては常識である。
「今日は解散だ! つかまるな」
 仲間がパーキングを出たのを確認してから最後尾に続こうとしたが、明良はパトカーに進路を塞がれてしまった。
作品名:Da.sh Ⅲ 作家名:健忘真実