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アナザーワールドへようこそっ!  第一章  【017】

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 まあ、確かに『スカート丈』は『長い』より『短い』ほうが『かわいらしい』し、オシャレだと俺的には思っているから、こういったオープンな学風は良いと思う。けっして……けっして……『スカート短いほうがおパンツが見えそうで何より』だとか、そんな『下世話な効果』を期待して短いほうがいいって言っているわけじゃ、な、ないんだからねっ!

 と、俺は特に誰に言うまでもなく、『一人ツンデレごっこ』を勤しんでいた。

 ちなみに、この制服のデザインは「女王陛下」がお決めになったものらしい。


 ぐぬぬっ……やるな、「女王陛下」、

 グッジョブだっ!


 会場の中に入った俺たちは、さっきと同じように、会場内を見上げたり、周りをキョロキョロしたりと、『挙動不審全開』だった。まあ、『俺たち』というのは『俺』と『シーナ』のことだが……。


「そ、それにしても、この建物もまた…………すごいな」

 
 この入学式会場の建物……外から見るとすべて「ガラス(のようなもの)張り」であり、それが上からの光に反射して、建物全体をキラキラとつねに光らせるような設計がされているようだった。しかも、それは「眩しくてキツイ」ということもなく、ちょうどいいくらいの光沢で全体を輝かせていた。

 また、柱は『鉄』とは違った『透明な金属のようなもの』を使っており、それが建物全体を『らせん状』に包んでいた。そして、この『透明な柱』のおかげで、建物の表面部分のガラス(のようなもの)に当たる光を邪魔することなく、むしろ、その柱も計算に入れて、見事に設計されていた。


『日本の職人』……顔負けである。


 建物の中は、外から取り入れた光を利用しているようで、『電球』というものは無いみたいだが充分に明るかった。広さはかなりあるようで、一階部分の主会場(メインホール)の収容人数は一万人くらいと言っていた。普段は、国の祭典や行事といった『祭事ごと』に使われているとのことだった。


「ほら、ハヤト、行くよっ! 新入生の席は、と………………あ、あそこだっ!」


 アイリは、『入学手引き』を持っていたようで、そこに書いてあった『新入生の並ぶエリア』をみつけ、俺とシーナはアイリにそのまま着いていった。


「ここでいいの……かな……?」


 アイリは、さっきの「入学手引き」に示されていた場所に来て、適当に空いている席に座った。

 どうやら、この『王立中央魔法アカデミー(セントラル)』の入学式は、特に席が決まっているというわけでは無い様子だったので、他の生徒も各自、空いている席をみつけて座っていた。

 けっこう、風通しの良い、比較的自由な校風なのかな? と思いつつ、これから始まる『異世界の入学式』に俺は多少ワクワクしていた。


 すると……、


「ちょっとあなたたちっ! そこ、退いて下さるかしら?」


 振り向くと、五人くらいの『女の子集団』がいて、手前の女の子が俺たちに声をかけていた…………命令口調で。


「はっ?」


 すると、真っ先に反応したのがアイリだった。


「どうして、わたしたちがこの席を退かなきゃいけないんですか? 別に席は自由でしょ? 他に空いてる席に座ったらいいじゃない?」


 アイリは、席から腕組みをして立ち上がり、真正面からそう言い返した。

 うーむ……相変わらず、男よりも男らしい。

 でも、制服姿は『おにゃの子』らしくて、かわいらしい。

 そんな『真正面からド直球』な言い返しをされた相手は、少しビビったようで、後ずさりしていた。すると、その後ろにいる、この『女の子集団』の中の『リーダ格の女の子』が出てきて、アイリの前に立った。

「そこは、わたくしが先ほどハンカチをイスに置いて席を取っていましたのよ? だから、後から来たあなたたちが退くのが『礼儀』じゃない?」

「……ハンカチ~?」

 すると、シーナが、

「も、もしかして……これ……ですか?」

 見ると、シーナがその女の子が言ってた『ハンカチらしきもの』をみつけたようだった………………自分たちの『一つ前の席』で。


「……あっ!?」


 その『リーダ格の女の子』は、自分の席だと思っていた場所が、実は俺たちの『一つ前』だったことがわかり、顔を真っ赤にして、髪が長く、色は『金髪』で、目の色が透き通った青色できれいな瞳をしたその子が一言、


「ワタシの名前は『フレンダ・ミラージュ』、名門貴族ミラージュ家の一人娘よ。よくも……よくも、皆の前で恥じをかかせてくれたわねっ!」


 と、かわいい顔でそんな『脅迫じみた言葉』を口にした。

 何だか、よくあるテンプレな『わがままお嬢様』といったところか。

 とは言え、すごくかわいい。

 アイリも、この子も、周囲の女の子たちもそうだが、このアナザーワールドの女性は皆、きれいな人が多い気がする。


 アナザーワールド万歳!


 そんな『おバカな歓喜』を一人楽しんでいる横では、アイリがその『フレンダ・ミラージュ』という子と『ガン』を飛ばしあいながら、互いに譲らぬ状況が続いていた。


「ふん。学校(アカデミー)でそんな家柄なんて関係ないでしょ?! ましてや、ここは『セントラル』よ? 大事なのは『家柄』じゃなくて『腕』……『魔法士の腕』が良いか、どうか……つまり、『強いか、どうか』……でしょ?」


 と、アイリはフレンダ・ミラージュに強気に言い返した。

「ふんっ! あなた、それがわかっていて、ワタシによくもそんな口が聞けるわね? ということは、あなた……ワタシが何者か知らないのね?」
「それは、さっきあんたが自分で言ったじゃない?! 名門貴族ミラージュ家の……」

 すると、さっきアイリにビビって後ずさりした女の子が再び、息を吹き返し、巻き返しをはかった。

「アッハッハ……! フレンダ様が言っているのは、『そういうことじゃない』のよ、この田舎モンっ! あなた、本当に知らないようね、このフレンダ様が『家柄』が有名なだけじゃないってことを……」
「な、何っ……?」
「フレンダ様の『二つ名』は…………『凍結天女(フリーズ・エンジェル)』」
「!?…………フ、『凍結天女(フリーズ・エンジェル)』」


 アイリは、そのフレンダ・ミラージュの「二つ名」を聞いて、ピタッとさっきまでの勢いが……止まった。


「?……どうした、アイリ?」

 俺は、アイリに説明を求めた……が、その説明はアイリではなく、フレンダの手下の女の子が続けた。

「知らないのなら教えてあげる。フレンダ様の『二つ名』は『凍結天女(フリーズ・エンジェル)』…………今年の『セントラル入学試験』の『首席』であり、尚且つ、『前年度の中央区ジュニア魔法士大会』の準優勝者よ。セントラルに入学するくらいの実力者なら誰でも知っているほど有名な人なのだけれど…………たまにいるんですね、こんな人も。あなた、もしかして不正入学?」

 と言うと、その手下の女の子は仲間と一緒にアイリを馬鹿にして大笑いをしていた。

 すると、フレンダ・ミラージュが、