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アナザーワールドへようこそっ!  第一章  【017】

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「まあまあ、皆さま、もうそのくらいにしてあげて。ワタシのことを知らない人なら仕方ないですわ。まあ、次から気をつけてくださればいいことですし……アイリさん、と言いましたっけ、お名前? とにかく、これからは相手を見てケンカを売ったほうが良くってよ? そうじゃないと痛い目を見ることになるから…………それじゃ」

 と、フレンダ・ミラージュは手下を連れてその場を離れようとした。

 すると……、


「そ、それがどうしたーーーっ!」


 アイリが大きな声で、フレンダ・ミラージュに再度、啖呵を切った。

「……あなた、バカですの? ワタシが『凍結天女(フリーズ・エンジェル)』と知った上で、そのような啖呵を切るおつもり? もう、許しませんよ?」

 そう言うと、フレンダ・ミラージュは、先ほどと違ってかわいい顔から笑みが消え、怒りの表情を露にしていた。

「『凍結天女(フリーズ・エンジェル)』だからどうしたっ! わたしは別に何も悪い事は言っていないし、それを馬鹿にされる筋合いも無いっ! お前が席を間違えたんだろ? だったら、ちゃんと謝れっ!」

 アイリは、おそらく、そのフレンダ・ミラージュの二つ名である『凍結天女(フリーズ・エンジェル)』ということを聞いて、それがどれだけ有名な魔法士なのかというのを知っていたのだろう。だが、それでも『自分のやった事は間違っていないだから謝らない』という自分の意志を貫いた。


 アイリ、マジでお前すげーよ。

 そんな、身体を震わせて……、

 それだけの相手ってことなんだろ?

 この『凍結天女(フリーズ・エンジェル)』は……。


 すると、ここでシーナがアイリに続いてフレンダ・ミラージュに声を掛けた。

「あの、すみません。わたし……『名門貴族ミラージュ家』とか、『凍結天女(フリーズ・エンジェル)』のことも知らない田舎者ですけど、あなたはご存知ですか? 『特別招待生』のこと?」


「えっ?……特別……招待生?」


 さっきの手下が『特別招待生』の言葉に反応した。

 同時に他の手下の子はおろか、フレンダ・ミラージュもその言葉に反応した。

 すると、その手下の子に変わって、フレンダ・ミラージュがシーナに話しかける。


「あなた……何を……言ってるの?」


 シーナは満面の笑顔で、


「はじめまして、特別招待生のシーナと、同じく、兄のハヤトです。どうぞ、よろしくっ!」


 と、シーナは俺の腕を絡みとって、ぐいっと引っ張った。


「あ、どうも…………同じく、特別招待生の兄のハヤトです。どうぞ、よろしく」


 この『特別招待生』という言葉に、フレンダ・ミラージュはおろか、周りの生徒たちも反応し、その場は一瞬にして、好奇の目に晒される事態となった。


 入学式早々……というか、まだ入学式も始まっていないというのに、早速、トラブルが起こりそうな状況に立たされた。


 て言うか、シーナ、お前がトラブルを引き込んでどうするっ?!