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エヴァーラスティング

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「•••? めし出来てr•••」

「ば、ばかっ。晴斗! そこは...」

「!!!」

いきなりの夏目の不審な言葉に耳を疑った。

「もう少し•••優しくしく•••。———あっ。そこ良いっ。」

夏目の寝言であろう言葉に、晴斗の体はものすごい数の鳥肌がたった。晴斗は体ををわなわなと震わせ、夏目の寝ているすぐ隣に立ち拳を強く握り腰を低くした。相手を殴る時は、腰を低くし、体幹をできる限り捻る。そして、その捻りを戻す勢いに乗せて拳を突き出す。晴斗は、いつか本を読んだ時に書いてあったことを思い出したのだ。晴斗は、その通り体幹を捻り、戻す勢いに拳を乗せた。

「どんな夢みてんだあああぁぁぁ」

晴斗は、頬を赤く染めて悪夢であろう夢を見ている夏目の腹部に今出せる100%の力で拳を食い込ませた。

「うぅっ。ぐはぁぁぁ」

夏目には、さぞ目覚めの悪い朝になっただろう。
しかし、晴斗は何もなかったかのように朝食を食べ始めたのであった。

「なっ、何しやがる」
夏目は、殴られた腹を抱えて起き上がった。

「いや。身の危険を感じたんでな。まぁ、自己防衛の一環だ!」

「???」

夏目は晴斗が何の事を言っているのかが全く理解できない様子だった。
まぁ、確かにあのまま放っておけば、夏目は新たな性癖を獲得してしまっていただろう。

「いいから飯食えよ」

あまり深く掘り返したくもないのでこれまでにしておこう。夏目は納得していない様子だったが、時間にそこまで猶予がなかったためか晴斗の言う通りに朝食を食べ始めた。そして、またいつもと変わらない1日が始まったのであった。




「ねぇ! 放課後クレープ屋いかない?」

1時間目の休み時間に結衣が唐突に言い出した。
結衣は昔から甘いものが大好物であり、特にクレープはその中でも一番の好物であった。

「前から行きたかったんだけどさ。少し高くてねー。でも、今日だけ半額なのよ!」

結衣は、大仏のように、親指と人差し指で円を作りながらいたずらっぽく笑った。

「僕も行きたいなー」

目を輝かせながら、手を挙げるセラ。
(セラも甘いものすきなんだなー)
晴斗はセラの知らなかった一面に少し驚くも、まぁ女子なんだからあたりまえかと、納得した。
夏目も結衣の案に賛成らしく、うんうんと首をふっている。残るは1人。その1人も3人の鋭い目線によって同意を余儀無くさせられてしまった。

「まぁ、たまにはみんなでクレープってのもいいかもな」

晴斗の言葉をまってました! とでも言うように結衣は、ぱぁっと顔を輝かせたのだった。


「はいっ。ハルと口開けて!」

セラは頼んだブルーベリーのクレープを晴斗に分けてあげていた。その姿に結衣はセラを睨みつけて、

「晴斗!私のもおいしーから食べて見なよ」

結衣は、無理やりに晴斗への口にクレープを持って行き、晴斗の顔に生クリームがくっついてしまった。

「結衣!なにやってんだよー」

「ご、ごっめーん」

「「「あははははは」」」

結衣、セラ、夏目は晴斗の顔を見て笑ってしまった。

「なんだよ。結衣せいじゃんかよ」

晴斗も結衣に言ったが晴斗自身も面白おかしく、笑っていた。

「結構、でかかったな。腹いっぱいだよ」

「ぼくももう食べれない•••」

「お、俺も。やばっ。吐きそう」

夏目の言葉に、結衣は苦い顔をしてお腹にパンチをし、夏目は、その後本当にやばい状態で解散した。

その夜、結衣からメールが来たのだった。

『晴斗へ。明日なんだけどさ、暇だったら買い物に付き合ってくれない?』

普段は、結衣からの誘いメールは来ないのでそれもいいか!と了解と変身したのだった。


そして、次の日は待ち合わせしていた駅で、晴斗は結衣を待ってい。

「晴斗ぉぉ。ごっめーん。遅れちゃった」

「大丈夫だって。俺も今来たとこだし。いこーぜ」

「うん!」

結衣の私服姿は始めてだったが、制服姿より、スタイルがもっとよく見えて歩きながら見つめてしまった。

「はっ、晴斗。その•••今日の服。似合ってる•••かな?」

「ああ。ずっごく綺麗だよ」

晴斗の褒め言葉に結衣の顔はボッと赤くなった。

(き、綺麗って•••)

「?結衣。どうしたの」

ぼうっとしていた結衣を晴斗は心配したのだった。

「なっ、なっ。なんでもないよ」

「ほらっ早く行こう!」

結衣の歩幅が少し早くなり、晴斗は疑問を感じながらも結衣について行った。

「そーいえば。結衣。何を買うつもりなんだ?」

買い物に付き合ってくれと言われただけだったので、晴斗は、結衣の目的地まで知らなかった。

「下着を買いによ!」

「しっ、下着⁉︎」

結衣の返答は、晴斗の考えていたものとは、大きくかけ離れていた。まさか、下着とは思ってもいなかったのである。

「ここよっ」

結衣に連れてやって来られた場所は下着(女性用)専門店だった。晴斗は固まりつつ、結衣をみた。

「お、俺は外で待ってるよ」

流石に男の俺が入るのはまずいと思ったのだが、結衣は、

「ダメっ。晴斗も一緒に来るの」

と怒られてしまい、どうすることもできず結衣の言葉に従うしかなかった。



その頃、セラは久しぶりの学校の休みに、買い物をするために街を回っていた。
(んー?下着売り場ってどこだろう)

あまり売り場に詳しくないセラは街を迷うように探していたが、大きい下着売り場の店舗をとうとう見つけることができたのだった。

(ここか!)

その店の中にはいると、目的の品種類の多さに少し興奮気味になっていた。目的の品はブラジャー。最近、胸のあたりが少し苦しくなってきてしまっていたのだ。

様々な種類を検討した中から、好みのブラジャーを選び試着をするため、ブラジャーを数個のブラジャーを持って試着室に向かった。

「セっ、セラ!!」

しかし、試着室に向かう途中、何故か男子である晴斗と出会ってしまったのだ。

「ハっ、ハル!なっなんでこんなところにいるのさ」

晴斗が、下着売り場にいることに、驚くも今の現状の危機さを感じ取った。セラは試着をするために、ブラジャーを数個の持っているのだ。そして、晴斗の目線がセラの持っているものへ向けられた瞬間セラは顔を真っ赤にした。

「み、見るなああぁぁ」

セラの右手での平手打ちを頬にくらった晴斗は、誤解を解くために結衣の付き合いできたことを伝えようとしたその時。

「はっ、晴斗。これ似合う•••かな?」

試着をした姿の結衣が、試着室から出てきたのだ。

「結衣!」

「セラさん、」

2人は同時に相手に気づき、声を合わせた。結衣は自分が何をしているのかに気づき顔を真っ赤に染めた。それとは逆にセラは、晴斗を冷ややかな目で見ていた。

「ねぇ。ハルトくん。これはどーゆーことかな?」

鬼のような顔で晴斗を睨みつけるセラに晴斗はただ怯え、どうにか今の現状を脱する策を必死に考えていた。

「いやっ、これは、そのー」

「かくかくしかじかでして•••」

「この、変態!!」

「バシィィィィン」
店に響くような音を鳴らしながら再びセラの平手打ちをくらった晴斗の頬は真っ赤に腫れ上がってしまっていた。
作品名:エヴァーラスティング 作家名:†狐姫†