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ゾディアック 5

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血管を流れる血の音・・私が今触れているのは、皮膚・・肉・・血流・・骨・・ いいえ、もっと下のもっと奥深い場所・・
私が触れているのは・・ ナアナが本当に存在する場所だ。


眉間にクルクル・・ 菱形の光が回り、幻視が現れた。
輝く太陽が、周りの光を集め 金色のライオンに変容した・・ アリオン。
現象界の天使 別名アリエルは、ナアナのアセンデットだった

ドーーーン!!ドーーーン!!大きな地響きがして、ビリビリと空気を震わせ、高音のさざ波がやって来る
シャンデリアがチリチリ・・と揺れた。 

ナルデの深い土の香りに、眉間の奥が熱くなっていく・・
「 アルマ アマル 魂の希望は 」私が呟くと

高音の囁き声が 聞こえて来た。

「 この宇宙の中で、私達はどれ一つとして孤独に存在出来るものは無く
自覚のあるなしに関わらず・・ 全ては調和し エネルギーを交換しています

エーテル体は
全ての物質 あらゆる生命体から発する電磁場を繋ぐ
鉱石界 動物界 植物界 サブパーソナリティ
高次の自己・・
私達を取り巻く 多彩なサトルボディとCommunionして行く 」

それは、月食以来、フラッシュバックが起こり 見えるはずのない物が見える
私のタッチセラピーで 起こっている現象の事だった。

アリエルは続けた
「 この世界に向かって 心の扉を大きく開け放ち
気持ち良くエネルギーを通わせなさい。
そうすれば、魂の奥底に眠る あなたの本質は目覚める 」 


遠い昔・・ 私達が執り行なって来た魂の儀式だった
ナアナの眠る 白い石のベットの端には ミツバチとスゲ草の文様が刻まれていた
それは古代エジプトの 王家の紋章・・
ナアナと初めてメリエスというチャネラーの家に行った時、ミツバチが纏わりついて離れなかった。
あれは 私達の存在していた過去世の象徴だったのだ!


意識のする事など 手放す以外に他はない。
「 私は 何にも 知らなかった・・ 」それは同時に「 知った 」になる

輪廻という同じ時を回し
ダルマに向かって起動し始める
ゾディアック
同じ宇宙に 同じ時間はない

永遠の今、風に吹かれながら
時は やって来る


気が付くと、白い石の部屋は消え・・ シャロンのベットに戻っていた。鏡窓も静まり返っている。
ナアナの背中のオイルをタオルで拭き取りながら言った。
「 お疲れ様・・ 気分はどう?」
「 うーん・・ 気持ちよかった 」身体を起こしながらナアナが言った。
「 夢を見てた気がするんだけど・・ 誰かが話かけてたような、でも思い出せないわ 」
「 大丈夫、タロッシュが教えてくれるよ 」私はニヤリとした。



~ 39 ~


私は 魅惑するために力を与える
受容性を指揮しながら
輝きという 倍音の音とともに

私は 永遠の出力を確信し
スピリットの力に導かれる 


※マヤン・カレンダーより引用



「 では、カードを繰って・・ 6枚出して下さい 」
シャッシャッ・・ カードを繰る音がして、パタパタ・・並べる音がした。
私は、カーテンの向こうで 自分の映った鏡窓を見つめていた。

「 Ⅲ女帝、ⅡⅩⅠ世界、水のナイト、Ⅹ運命の輪、風の5、水のクイーン 」ラムカの声がした。

自分の映る鏡窓が ビリビリと震え、奥から
ドーーーン!・・ドーーーン!・・ 僅かに 地響きが聞こえる
地の底から響いて来た

「 長い時を超え、豊かな黄金の実る時代がありました。あなたは自分の使命を全うし生きて来ました・・ 」ラムカが言った。
「 私の使命?そんな満ちたりた時があったかな 」 ナアナが呟いた。


サワサワ・・ サワサワ・・ 黒い影が囁き、カーテンが揺れた。

ムリダ・・ ワタシニハ ムリダ・・ ワカラナイ・・

「 そ・・それは、遠い過去の記憶が、今、大きな1つのサイクルが終わり アリオンの導きの元 完結を迎えようとしています・・ 」
ラムカの緊張した声が聞こえた。
「 アリオン!アリエルの事よね、何故知ってるの!? 」ナアナが驚いて言った。

「 げ・・現在のカード、ⅡⅩⅠ世界は・・ アリオンの名で 世界の起源に関する重要な役割を担っています。
  また、このカードは智慧を象徴するソフィアとも関連があり・・ あ、さっきソフィアさんだったわ。偶然ね・・ 」
「 ソフィア? 」ナアナが聞いた、

「 ええ・・ ナアナさんの前にいらっしゃった方です。 前進のカードを引いて、セラピーでも夢で 旗を掲げた女神が、前進を指差し導いたと仰っていました 」ラムカが言った。

「 へー、セラピーで見た夢・・ そういえば私もさっき、塗油の儀式をマリオンにされていた夢だったわ! エジプトの時代だった。黄金のアリエルが、私に何かを語ってた気がする・・ 」

「 近い未来は、水のナイト・・ 青い鳥がハートの剣を持ち、騎士のところへやってきました。
  彼の甲冑の心臓の場所は、扉が開いています。
 このカードは、心の扉を開いてハートに委ねるという意味があります 」ラムカが言った。

私は驚いた、さっきセラピー中にナアナに見えた アリエルが言った言葉と同じだった。


この世界に向かって 心の扉を大きく開け放ち
気持ち良くエネルギーを通わせなさい
そうすれば、魂の奥底に眠る あなたの本質は目覚める


ナアナは黙って聞いていた。
「 青い鳥は、大切なことを教えてくれるメッセンジャーかもしれませんね。
  アセンデットからのメッセージは、Ⅹ運命の輪・・
この宇宙の輪の中で、私達はどれ一つとして孤独に存在出来るものは無く
自覚のあるなしに関わらず・・ 全ては調和し エネルギーを交換しています 」ラムカが続けた。

私の額に、光る菱形が現れ クルクル・・と回り始めた
きっと、ナアナも同じ


輪廻という時を回し
ダルマに向かって起動し始める
ゾディアック
同じ宇宙に 同じ時間はない

永遠の今、風に吹かれながら  
時は やって来る
運命の輪舞・・


「 風の5、あなたの意識が試されます。月光の森に剣の刺さった墓標から、蘇る精霊がいます。
理想が再び失墜する事への恐れ・・ あなたの心が
幻滅を味わう恐れに、立ち向かう勇気を聞いています。頭を離れ心に誓う 」

「 頭を離れ・・ 心に誓う 」ナアナが繰り返した。
「 確かに・・ 私は、外からの要求に応えようと、頭で考え 自分の気持ちを抑え込みます 」

「 水のクイーン、答えは・・ 森の中 睡蓮の花が咲く美しい泉を覗き込み、
カエルの王子と話している王女がいます。
このカードの意味は、善良で公正な王女・・ つまりあなたの心が、美しい泉に棲むカエルの王子・・
つまり美しい本来の姿に還る。幸福や叡智を示唆しています。
このメッセージも・・ さっきのソフィアさんと似てるわね 」ラムカが言った。

一瞬 静寂に包まれた・・
ドーーーン!・・ 再び 地響きに揺れる鏡窓の奥から、1人の男の姿が現れた。
腕組みをした眼光の鋭い・・ エジプト時代のラムカだった。
地の底から響くような声で言った。

レク イプ・・ ネプ・エフ 
ケト・・ ネペト ネフェレト・・ 
作品名:ゾディアック 5 作家名:sakura