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ゾディアック 5

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「 魂の望みを・・ 知る
全ての・・ 良きこと・・ 」ナアナが言った。
ナアナにも聞こえているのだ

鏡窓に映る私の瞳が 赤銅色から翠色に変わり キーーーン・・ 高音のナディアに包まれた。
ビリビリと高周波のうねりが押し寄せ、シャロンの狭い空間に 今、エジプトの魂が集っていた
遥かな時を超え・・

「 43億2000万光年の時の彼方から・・ アーキシンボル 」
カーテンが大きく揺れ 私の口から誰かが言った


サワサワ・・ サワサワ・・ 黒い影が蠢き囁いた

ソンナ バカナ・・ ヨンジュウサンオク・・?
ジンルイナドウマレテナイ・・ バカゲテル・・

私の概念が騒ぎ始めた



~ 40 ~


星の記憶に眠る

何処まで 遡れば
私は 本当の自分に出逢えるだろう
Origin ・・

意識はいつも繰り返す
私は何も知らなかった、と・・
そして・・ 私は分かったになる

トリックスター
宵の明星

「 彼らはおきている時、ボー・・ と彷徨っているようです 」
「 ここ ( 頭 ) を いじるだけじゃダメなんだよ 」 



カラカラ・・ 扉が開き誰かが入って来た。
「 こんにちは・・ 」 小さな声がした。
「 ああ、ミルラ!こちらは 仕事で知り合ったミルラさんです。
今日は来たいって言うんで、呼んだんです 」ナアナが言った。
「 まあ、ようこそいらっしゃいました、ミルラさん 」ラムカが言った。
「 初めにホットストーンセラピーをして頂いて、次にタロッシュをしますね。どうぞこちらへ・・ 」
カーテンが開いて、私の方へに入って来た。

子供のような 小さな身体の、中性的な女性だった。
「 はじめまして・・ よろしくお願いします・・ 」大きな瞳をキョロつかせながら
消え入りそうな小さな声で言った。彼女はシャイだった。
「 こんにちは・・ では服を脱いで ベットにうつ伏せでお願いします 」 

つい立の影でシュルシュルと服を脱ぐ音がした。
私の正面に映る 鏡窓は、不気味な程に 静まり返っていた。

ガウンを羽織ったミルラがベットに横になると、ナアナよりも小さな きゃしゃな身体だった。
オイルを手に取り、か細い肩甲骨に塗る
アルマ アマルの、重く深い香りが鼻に入り 眉間の奥に突きぬけていった。 

ズーーーン!!・・ 大きな揺れと共に、私は渦に吸い込まれて行った。

「 何!? 」気が付くと、鏡窓の中へ・・ 広大な 漆喰の宇宙空間へ放り出されていた。
手は、ミルラの背中に張り付いたまま・・ 強力な磁場が働いて離れない。

電磁場の渦巻く中、上も下も無い宇宙空間に浮いたまま・・ 私の身体はバランスを失いグラグラ揺れた。
ミルラの小さな身体は、とてつもなく広大な亜空間宇宙への、開かれたポータルだった

「 見ようとしては いけない・・ 」 
私は 目を閉じた。キーーーン・・ 眉間に光る菱形が現れ、クルクルと回るのを感じた。
それはやがて・・ 白い尾を棚引かせゆっくりと旋回する、大きな白い銀河に変わっていった。

「 なんて美しい・・ 光の川だ 」
大きく渦を巻く 銀河の眩しい中心に向かって、私はどんどん吸い込まれて行った。
キーーーーーン!!突然ジェット機の轟音のような高速の気圧に、内耳が引き裂かれそうだった。
ギャアアアアアアア・・!!


気が付くと、八角形に柱の並んだドームの中にいた。
「 ここは・・ 何処 」
その時 空から、青い鳥が舞い降りて来て、女性の姿に変わった。
ソフィアだった

「 ここは アトランティス・・ 人の姿の原型 」口びるは動かず、直接頭の中に話しかけて来る。
菱形の光が、眉間にクルクル回転し、その声は、アコースティックに響く美しい歌声のような音色だった
「 かつて・・ 私達は、第9次元世界に、半物質 半エネルギー体で存在していました 」

見ると沢山の光線が、銀河に棚引いて見えた。ヒエラルキー天使界

人が、天使の羽根に見えたのは、レイ(光線)が 人の姿に物質化する時、降りて来た光線が
天に向かって立ち昇る羽根に見えたからだ。
私がルシフェルやミカエル、ウリエルを見た時も・・ 女神を見た時も・・ 羽根や羽衣が細長く天に棚引いて見えた。

私達が人の この姿をしているから、ヤツラは同じバイブレーションに落として物質化し、擬人化して見せているのだ。
ヤツラは・・ 高振動数で存在するナディアのレイ(光線)だ。

状態の光・・

「 あなた方が 天使や女神と呼ぶ者の総称・・ 私達は、常にあなた方と共に居ます。
次元の狭間から、あなた方が気付くのをずっと 見守っています 」ソフィアは語った。

彼女はアトランティスの時代、踊り巫女だった。女神の姿になったり、青い鳥の姿になったり 変幻自在で宙に舞っていた。
「 何故、そんな進化した次元から、この次元に堕ちてしまったの? 」私は聞いた

ソフィアは沈黙し、そして言った。
「 ルシフェル・・ あなたが望んだ事 」

「 私? ・・ルシフェル? 」
「 どんなに次元を落しても、自分が自分である限り・・ 光に還れると、アイ(固体化)を選んだ 」
「 私が・・ 私である限り? 」


アイシテル・・ アイシテル・・ アイシテル・・
ワタシハ イツモ アイシテル・・

アイガ イツモアナタトトモニ・・
アナタガ イツモアイトトモニ・・

そうだ。私のナディアは、いつも同じアイを奏でていた。
どんなに姿を変えようと

ヤミデハ ヤミトトモニ

突然 血が身体の中を逆流し、DNA RNAの螺旋に刷り込まれた幾何学模様が、合わせ鏡のように連なって映し出された。
ドックン!ドックン!ドックン!鼓動が 何千年にも及ぶ 私の人間歴を刻んだ。
苦痛に襲われ・・ 怒り、憎悪、悲しみ、喜び、楽しみ、愛・・ 様々な人間の感情が、怒涛の如く蘇った

エジプトの少年だった時代・・ 森で魔女と呼ばれた時代・・ その他の様々な姿形をした 女や男や子供や・・ 人間以外の木だった時代も現れた。

ドックン!ドックン!ドックン!血の川が肉の中を荒れ狂い流れた。


私は苦痛に喘ぎながら聞いた「 で、では・・ いつ、この次元は 相対の闇に堕ちてしまったの? 」

ソフィアは、前方を指さした。
その指先の方向を見た途端、暗黒の闇が 私を包んでいった。











作品名:ゾディアック 5 作家名:sakura