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Ramaneyya Vagga

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ゾンビ主義争闘国


 TVで街頭インタビューを放送している。人々が答えている。
 「自民党はアメリカのいいなりだと思います」
 「原子力発電に依存しない社会を作らなければならないと思います」
 などなど。私に疑問が浮かんだ。彼らは「思います」と言った。彼らは自らの見解を述べたと思っているだろう。しかしそれは本当に彼らが自ら判断した見解なのだろうか? 彼はアメリカや自民党について、どこでなにを知ったのか? なにに基づいて判断したのか? 原子力発電とそれを取り巻く社会について、なにを、どこで学んだのか?
 そこで私は思う。チャーマーズの言うゾンビとは、実はこのような人々のことなのかもしない、と。
 いかにも、私は政治というものをまったく理解していない。私にはさっぱりわからない。私にとってそれは、男が女性に欲情しつづけた結果増えた人間たちの、その人数分の生存と快楽への欲望の、処理方法というだけである。他人の個人の問題をゾンビたちがああする、こうすると怪しい目つきで決めようとしているだけである。自らについては何事も決めることなく。
 政党とかいうものはいったいなんなのか。それは利害関係の分布図というだけである。食パンにいくつかの種類のカビが生えて、領地を取り合っているのとなんら変わらない。私ならそのパンを捨てる。
 デイヴィッド・チャーマーズが提唱した哲学的ゾンビは、馬鹿げているというだけでなく、単純に間違っている。それは結局のところ、霊魂と呼ばれてきたものをクオリアと言い換え、物理学的な存在であると言ったというだけである。しかしゾンビ主義争闘社会に暮らす我々には、ある示唆を与える。確かにこれは彼の功績である。
作品名:Ramaneyya Vagga 作家名:RamaneyyaAsu