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かざぐるま
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novelistID. 45528
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欲望の方舟 ~選ばれしモノたち~

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[つまり、実質的に竜崎さんがNoah2のAIプログラムを行ったと。しかもカメレオンに殺人機能まで持たせたということか]
[そうです。AIが彼の頭脳を基本にしているとすると……これから地下施設がどうなるかが非常に心配です]
[全く同感だよ。あの人の口癖を覚えているか? “役にたたない人間は存在を認めない”だったよな。社長に交渉して、AIプログラムをリセットすることはできないのか?]
[社長には既に交渉しました。しかし、一度起動したAIはもう誰にも止めることはできないそうです]
[そうか……。だが颯太ならウイルスか何かで、殺人機能だけでも止めることはできるんじゃないか?]
[やってはみますが、相当な危険を伴うでしょうね。施設全体に、特に酸素供給装置などにもし影響が出たら、先輩たちは全滅してしまいます]
 俺は“竜崎さんの頭脳が基準になっている”という事に、何ともいえない気持ち悪さを感じていた。
 竜崎という男は頭が切れるが、蛇のように冷酷で人を人とも思わない性格なのだ。そして恐ろしい事に、MICではかなりの権力を持っている。
[先輩。最後に、驚かないで聞いて下さい]
 颯太の打ち込む文章を、息を飲んで待つ。時計を見るともう時間が無かった。
[竜崎真也は……先輩の居るA‐ブロックにいます。恐らく名前を変えて潜り込んでいると思われます]
 この文章を見たとたんに、頭を殴られたようなショックでしばらく手が止まってしまった。しかし、すぐに納得がいった。この男が世界で一番安全な施設に潜り込むのは、しごく当然の事なのだと。