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かざぐるま
かざぐるま
novelistID. 45528
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欲望の方舟 ~選ばれしモノたち~

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「――よし、分かった。では、お前たち二人に大事な任務を与えよう。D‐ブロックの収容人数はまだゼロなんだろ? 颯太くんと協力してそこにエターナルの住民を一人でも多く収容できるように努力してくれ。時間は限られているが、お前たち三人で精一杯頑張って欲しい」
「分かりました。やってみます。なるべく多くの命を救うために」
 太田さんの苦しい心の奥を読み取って俺は答えた。この人は俺達の安全を一番に考えてくれているんだ。彼は一度言いだした事は曲げない。曲げたらリーダーになれる訳がない。愛里はきっと気づいていないだろう。
「ひとつだけ聞いてもいい? 解放されたら太田さんもシェルターに入ってくれるわよね」すがるような目で返事を待つ。
「ああ。一番に駆け込むよ。俺は昔から足だけは速いんだぞ」
 だが、太田さんの性格を俺は良く知っていた。万が一エターナル国民全員がシェルターに入れたとしても、最後の一人が入るまでは決して自分は入らないだろう。
「ところで海人、腹減ってるんじゃないのか? 俺は記者会見の準備をしなければならないから、食堂で何か食べてくるといい。結構美味いって評判だぞ」
「はい、行ってみます。記者会見は何時からですか?」
 急に記者会見を直に見てみたくなった。
「七時からだよ。良かったら後で見に来るといい」
 紺色のスーツに袖を通し、そう言い残すと彼は颯爽と部屋を出て行った。