学校外恋愛。
ガタンゴトン…
リズミカルに揺れる車内の中で、私はゆっくりと目を開けた。
ベッドで寝るのとはまた違う気持ちよさに思わず満足感で一杯になる。
思い切り伸びをしたいなぁとか思いつつ、かなり空いている車内を見渡した私。
いや、何かがおかしい。普段乗っている時はこんなに空いていないのに。
まだ夢心地ながらも、窓の外を恐る恐る見てみる。
『何処っ!?私こんな景色知らないよ!?』
私は寝ぼけていたのが嘘のように目を見開いて、心の中で悲鳴をあげた。
『やっちゃった…寝過ごすとか初めてだ…どうしよう…』
さっき悲鳴をあげた‘‘心の中の私’’は、今度は泣き始めてしまった。
腕時計を見ると、私の家の最寄り駅に到着しているはずの時間から実に40分が経っていた。単純に考えて、遠い街まで来ている可能性が高い。
本当に泣いてしまいたい気持ちをぐっと抑えながら、丁度到着した知らない駅に降りたのだった。
ホームを歩き出した私だけど、とにかく、寒い。
スカートの中を吹き抜けていく冷たい風が、私の心までさらってしまいそうだ。
下を向いてトボトボ歩いていく。
私は何処に行けば良いんだろう、とりあえず改札を抜けて、家に帰ろうか、でもやっぱり親に連絡するべきか、はたまたタクシーで帰るか、頭の中を様々な考えが交差して行く。
その時だった。
「あっ、ちょっとすみません、これ、落としましたよ」