Bhikkhugatika
徳
病を得ると不安に囚われて気が弱るものだが、私のような傲岸不遜な人間にはよい薬というものだ。私ときては、早急かつ早計、何をしたわけでもないのに思い上がること天下を取ったかの如く、自分を差し置き他人を蔑んでおいて、ひとりになると、自分が蔑んだ者が自分自身なのを見て、心を乱すばかりだ。
君はいつもそれとなくたしなめてくれるが、私が身を慎むには、もっときつく言ってくれたほうがいいようだ。私はこんなにも愚かだというのに、君は優しすぎるよ。
見舞いに来てくれた君の穏やかな笑い顔を見ていると、私の濁った心も、少しばかり澄んでいくようだ。私もいい加減君のように勤め励んで、微笑みひとつで徳の風を吹かせるような人物にならなくては。
作品名:Bhikkhugatika 作家名:RamaneyyaAsu