Bhikkhugatika
無力
君は怒って自ら何を成し遂げようとしているのか。君は自ら成せることをしているのではなく、彼に何かをさせようと欲しているのでは?その為に君は、怒ることで、彼にそれを強要しているのでは?なぜなら私は正しく彼は誤っているのだから、彼は私に屈服しなければならないと君は言うけれども、実にそれは君の見解である。君がこれは真理であると見なしたのだ。いったい君は、それが真理であることを、どのようにして知ったのか。どれだけの多様な観点から見てなお疑えぬのか。自らによる厳密な批判に耐えた確信なのか。いったい君が求めるものは、彼を威圧し脅迫してまで彼によって成されるに値するのか、君自身と彼との心を引き裂きつつ。君が怒ったのは、私には怒る資格があると君がたまたま思ったというだけである。
翻って君は他人から何を欲するかではなく、君自身が何を成すことができるかを調べてみよ。君が怒るとき君は自らが何をしているのか調べることができる。それが自らにも皆にも役立たぬとわかったなら、怒るのをやめることができる。
見よ、君は自分は無力だと言うが、このとき、君は自らが成せることを自ら成し遂げ、この君自身の力によって、自らと皆とにこよなく役立ったではないか。
作品名:Bhikkhugatika 作家名:RamaneyyaAsu