Bhikkhugatika
日に日に聖仙と語らう
寒空の下、自転車で走るのもよいものだ。東京の街々は、市場主義の亀鑑を顕示して、私の心はすっかり乱れてしまうが、多摩川沿いに出れば、自然の営みを感じることができるから、心を静めることができる。
そうは言っても、私なる者を観察してみるに、いったいどこにでもいる俗物にしか見えぬ。不遜かつ怠惰、間違っても立派な人物と呼ぶことなど叶わぬ。
君は賢明にも若くして世俗の害を避けて、田舎に隠遁してしまった。私と遠く離れて暮らしているが、毎日メールで話してくれるね。いつも私に敬意を示してくれるが、私がそのたびに恥じ入っているのを、君は知っているだろうか。
君はといえば、関わる人という人に、ただ優しい気持ちだけを注いでいる。いやはや、君こそが真に徳ある人である。私は君と話しているといつも、君がいにしえの聖仙のひとりなのではないかと疑うのだ。
作品名:Bhikkhugatika 作家名:RamaneyyaAsu