怪物狩り 第2章(1)
今回のターゲットは、F高校の教師・高間隆二(45歳)。強豪サッカー部の顧問をしており、部員に対して体罰を繰り返しているという。家族は、妻と娘。一戸建てに居住。
成功条件は、ターゲットを高校から追い出し、二度と教職に就けないようにすること。
報酬は、200万円。
参加プレイヤーは、オレ、タケル、book、家康の4人である。この4人でチームを組むようになって約3カ月。
ちなみに、オレのプレイヤーネームは、「tana」だ。こんなことになった原因にちなんで、自虐的に付けた。
現在、オレは、高校の近くで部活終わりのターゲットを待ち伏せ中。
ターゲットの行動パターンは、ここ3週間程度の行動監視によってある程度把握できていた。
これまでのターゲットの行動には、イレギュラーなものはない。
平日は、家と学校の往復のみ。休日は、家にいるか、妻と買い物に行くところしか確認できなかった。
現状、行動監視によってターゲットの秘密が発見できることはなさそうである。
実際、1か月程度の行動監視で発見できる秘密など、不倫程度のものである。当たれば儲けものという程度の福引きみたいなものだ。
「狩り」における行動監視の目的は、不測の事態が起こる可能性を最小限にすることにある。そのためには、最低でも1か月程度の行動監視が不可欠だ。
作品名:怪物狩り 第2章(1) 作家名:宇都 治