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怪物狩り 第2章(1)

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第2章 狩る者と狩られるモノ

 まだ肌寒さが残る3月7日。
 オレは、いわゆる張り込みの最中だ。
 現在、午後6時30分。
 まだまだ、外での張り込みはかなり辛い。


「狩り」においては、参加プレイヤーが各自の特性を活かして役割を果たしていく。
「狩り」に役立つ能力を持っているプレイヤーは、多くのグループからの誘いを受けることになる。
 ハッキングのスキルや解錠技術等は、希少性があり特に重宝されている。
 そのような希少性はなくとも、車を運転できるというだけでも、そこそこ重視される。
 また、女性はターゲットを誘惑するために役立つため、重宝されることもある。もっとも、女性の場合、他のプレイヤーの性の捌け口にされることも多く、リスクが多いため、女性プレイヤーの数は多くない。
 結局、「狩り」においても、「持つ者」は勝ち組、「持たざる者」は負け組なのである。
 そして、プレイヤーのうち圧倒的多くは、「持たざる者」なのである。
「持たざる者」は、掃いて捨てるほどいる。だから、他のプレイヤーに捨て駒にされることも多い。
「持たざる者」にとっては、プレイヤー間での生存競争も重要になる。

 そんなわけで、「持たざる者」であるオレは、「狩り」においては張り込みや尾行というきつい役割をすることが多くなる。
「持たざる者」にとっては、他のグループメンバーから信頼を得ることが重要だ。信頼を得ることができれば、その時点で「持たざる者」から卒業できる。なぜなら、信頼できるという評価は、十分に「狩り」に役立つ能力といえるからだ。
 だから今は、信頼を得るために率先して汚れ役をこなすしかない。
 それとともに、経験を得ることも重要だ。信頼は、水ものでいつ失われるか分からない不確かなものだが、経験は失われることはない。経験を得るためにも、多くの「狩り」で、様々な仕事をすることが重要だ。