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上社(兄)の758革命

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第3章 市場介入



 東京証券取引所に近づくと、上社はCROSSの無線機を使い、そこの占拠を担当している部隊の分隊長に連絡を取る。
「そちらの応援に来た上社です。パトカーで接近しているので、注意してください」
警官だと思われ、誤射で殺されるのはゴメンであった。
『了解。できれば、そのパトカーを使って、出入口のシャッターを壊してほしいんだが?』
どうやら、出入口のシャッターを開けるのに手間取っているようだ。相当堅牢なシャッターなのだろう。
「わかりました。それではそこから離れていてください!」
上社はそう了解すると、アクセルを全開にした。パトカーのスピードが急上昇し、上社はシートに身体を押し付けられた。しかし、彼は慣れた様子で、落ち着いた表情のままであった……。

 猛スピードで走行している上社のパトカーは、目の前に見えてきた東京証券取引所へと近づいていく。そして、出入口へと迷うことなく進んでいく。よく見ると、出入口のそばの物影に、東京証券取引所担当の分隊が隠れているのが見えた。彼らは、上社のパトカーを見つけると手を振っていた。
 出入口のシャッターは、予想通り堅牢そうだった。うまくやらなければ、上社はパトカーといっしょにつぶれてしまいそうだ。
「それいけ!!!」
猛スピードのパトカーが、出入口へ突っ込んでいく。

   バリバリバリバリッ!!! ガシャーーーン!!! 

 ガラスが割れる音と激しい金属音が、その一帯に響き渡った……。パトカーが爆発してしまうという事も無いようだ。
「やった!!!」
物影に隠れていた隊員の1人が、おそるおそる出入口を見て叫んだ。
 堅牢なシャッターと強化ガラスと、上社が突っこませたパトカーの衝突をうまく受け止めることはできず、あっけなく崩壊した姿を公開していた……。出入口はパトカーを中心に広がって裂けており、突入口ができあがっている。パトカーにも、バンパーのへこみやガラスのヒビ割れといったダメージが生じていたが、すぐに修理が必要なほどではなかった。しかも、運転していた上社は無事な様子で、パンパンに膨らんでいるエアバッグを押しのけながら、パトカーから降りてきた。右手にはレーザーライフルがある。
「くそう!!!」
そのとき、できたばかりの突入口の向こう側である取引所内から、警棒を持った警備員が1人飛び出してきた。警備員は警棒を振り上げ、上社に向かって振り下ろす。しかし、上社を襲ったのは警棒ではなく、たった今粉末になった警備員だった……。上社がレーザーライフルで、警備員を素早く粉にしたのだった。警棒はくらわずにすんだが、警備員の粉をくらってしまった。
 上社は、そんな粉を振り払いながら、東京証券取引所の中に突入口から入っていった。まるで通勤しているかのようだったが、中から聞こえてくるレーザーライフル乗って射撃音がそれを否定してくれた……。
「よし、俺たちもいくぞ!!!」
ここ担当の分隊長はそう言うと、4人の隊員たちとともに、東京証券取引所へ突入していった。


 今日は日曜日なので、取引所にはそれほど人がいなかった。今いるのは、休日勤務の社員と警備員とかだけで、少しでも抵抗されると、構うことなく殺していく……。利口にも抵抗しなかった人々は、脱兎のごとくうまく逃げるか、その場で人質となった。
 そして、テレビのニュースでよくみかけるガラス張りの円形の大部屋の前にきた。この大きな円形のガラスケースの中は、不労所得の生産現場であった。休日なので、取引担当の職員は少なく、ただオロオロした様子で、その場にとどまっているしかないようだ。

 上社は、その中への出入口のガラスドアを、余裕気な様子でノックする……。