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上社(兄)の758革命

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「きゃーーー!!!」

 運が悪いことにその車の運転手は、ヒステリー症と更年期障害の両方を抱えた中年女であった……。その女は、フルスピードでワイパーを動かし、警官の粉末をフロントガラスから吹き飛ばした……。 女は狂ったかのようにそのまま叫び続けており、
「そこか!!!」
検問所の警官に、彼のだいたいの位置を教えてしまった……。検問所にいる20人ぐらいの警官たちの目が、一斉に上社がいる方を向く。そのときの警官たちは、死の恐怖に怯えており、全員が拳銃を手にしていた……。もし平時ならば、マスコミにかなり叩かれることだろう……。
 上社はそんな警官たちに驚くこともなく、レーザーライフルを構えると、警官たちに撃ちまくった。先頭にいた3人の警官がたちまり粉末に変わる。
「この野郎!!!」
他の警官たちは、怒りに任せる形で反撃を開始する。拳銃から放たれる銃弾が、上社が隠れているトラックに穴を次々開ける。運ちゃんが悲鳴をあげながら、トラックから逃げ去っていく。

 運が悪いことに、警官たちはどこからか予備の銃弾を集めておいたらしく、どんどん撃ってくる。税金の無駄遣いを彼らに説いてくれないだろうかと思いながら、上社は警官たちを撃ち続ける。
 だが、彼のレーザーライフルにも弾数がある上に、警官たちはスキが無い銃撃を仕掛けてくる。しかも、彼を包囲する形で動いている。このままでは、警官たちに射殺されるか逮捕されるかだろう……。

「応援が来たぞ!!!」

 警官の1人が指差す方向から、警察の機動隊の大型輸送バスが、猛スピードで接近してきていた……。言うまでもなく、機動隊員たちを運ぶための大きなバスだ。運転席には、機動隊のヘルメットを被った奴がいる。
 上社は、敵の増援にうんざりとした表情をつくるしかなかった……。その一方で、警官たちは喜んでいるようだ。

 ……ところが、その大型バスは、猛スピードを緩めることもなく、警察車両や警官たちがいる交差点に進入する……。

   ガラガラガシャーーーン!!!

 政情不安定な国ではよくある光景のように、横転していくパトカー。
 地面に散らばる窓ガラスや赤色灯の破片。
 シュールな感じで弾け飛ばされる警官たち。
 必死の形相で逃げ惑う群衆。
 人や物を当然のごとくなぎ倒す大型バス。

 ……昨日までの日本では、めったに見られない光景だったが、彼はそれに実感が沸かない様子だ。ただ、実感が沸かない様子なのは彼だけではなく、その場に居合わせたほとんど全員であった……。
{こんなことはありえない}
程度の差はあれ、このような心情があるのだろう……。突然の出来事に動揺しているからということだけなく、単純に変化を受け入れることができないのだ……。それだけ、既存の存在に頼りきりだったというわけだ……。