上社(兄)の758革命
上社は、何もメッセージを返さずに、スマホをしまった。彼はため息をつくと、すぐ横の隊員を見た。その男性隊員は、なぜかニヤニヤしながらスマホを使っていた……。気になった上社は、
「どうした、岩国?」
ニヤニヤしながらスマホを見ていた同い年である隊員に、どうしたのかを尋ねた。
「ツイッターを見てみろよ! TLがオレたち関係で埋め尽くされているぞ! まるで大地震が起きたみたいだぜ!」
岩国という名前のその隊員は、CROSS関係で埋め尽くされているツイッターのTLを見ていた……。
「……そうか」
激しいTLを見た上社は、ただそう呟いた。
「そろそろ黙らせろ!」
そのとき、分隊長が上社たちに命令した。上社たちは、スマホをしまうと、やれやれといった様子で、狂ったように怒声をあげている利用客への対応をすることにした。
「今日はもう帰れ!!!」
上社たちはそう叫び、うるさい利用客を追い払おうとした。しかし、
「ふざけるな!!! こっちは仕事があるんだぞ!!! この野郎!!!」
どうしても電車で会社に行きたいらしい社畜が叫ぶ。社畜に押し倒された岩国は、レーザーライフルを社畜に向ける。
「おい、やめろ!!!」
相手は民間人だったので、上社は岩国を止めた。
「正当防衛だ!!!」
しかし、上社の制止もむなしく、岩国は社畜を粉末にして殺した……。
すると、東京駅はパニックとなった……。利用客らは、一斉に外へと向かって走っていき、いたるところで転倒や将棋倒しが起きた……。しかも、駅が閉鎖されていることを知らない利用客がやって来るので、ぶつかりあいもあちこちで起きていた……。何人かの子供や年寄りが、床で踏まれて倒れており、上社は助けに行こうとしたが、
「持ち場を離れるな!!!」
という分隊長の大声に阻まれた……。駅員はパニックに巻きこまれてしまい、見当たらない。
『こちら東京証券取引所担当の分隊だが、1人でもいいから応援に回してくれないか?』
そのとき、増援要請の通信が入った。東京証券取引所の占拠に手間取っているらしく、その応援に向かってほしいということだ。
「こっちはもう占拠できたから、1人回してやる」
分隊長は、そう返事した。
「俺が行きます!!!」
上社はすぐに叫び、分隊長は許可した。
上社は、天井にレーザー弾を撃って群衆をどかし、出入口へと向かった。そして、その途中に倒れていた人たちを気づかい、ようやく見つけた駅員に、救護を頼んでおいた。
「さっさと行け!!!」
分隊長の怒鳴り声が聞こえてきた。
作品名:上社(兄)の758革命 作家名:やまさん