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ウエストテンプル
ウエストテンプル
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ナイトメアトゥルー 2

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「へぇ、馬鈴薯にもこういう調理方法が…。」
じゃがいもをそのように言うことに対しては、あえて突っ込みはいれない。
と、言うか俺自身が勝手に判断していたのかもしれない。
もしかしてこいつの家って和風だった?
お嬢様って白亜の洋館に住んでいるイメージなんだけど、日本の伝統を集めて造られ文化財の域に達しているような大屋敷の可能性だってあるのだ。

日本伝統名家のお嬢様、そんな単語が浮かんでいればレシピだって変わっていたのに。
でも、待瀬の箸はどんどんと進んでいる。
どうやら、本当に口に合わないことは無いらしい。

待瀬が半分以上食べ終えたのを見計らい俺も食べ始める。

待瀬とテーブル越しに向かい合う形になる。
えへへ、と少し照れたような表情の待瀬。
食事の最中に会話をしてはいけないといった、間違ったテーブルマナーは身につけていないだろう。
元々、食事は会話を楽しませる為にあるのだから。

だから、普段の学校のこととかの話をいろいろと待瀬に振る。
その度に、待瀬は良い表情で受け応えをしてくれた。

食事も終わりに近づいた頃、先週の金曜の出来事にまで話が及んだ。

「いやさぁ、金曜日の夜は最悪だったよ。隣の人に朝までの酒盛りに付き合わされて、こっちは未成年で飲めねぇから、ずっとグチの聞きっぱなしだよ。」

隣の迷惑な女子大生の話だ。
だが、待瀬の笑顔がだんだんとなくなってくる、そして次第に待瀬の目がトロンとしてきはじめた。
眠いのか?

「ふぅ、少し暑くありませんか」
待瀬は制服の上着を脱ぐと、シャツのボタンを上から3段目まで外した。
ちょっ…胸の谷間が見えてしまうのですが…。
まぁ、確かに、今日は5月と言え、いささか暑い気もする。
それに、女の子の体温変化は男よりもデリケートって言うしなぁ。

「あ、エアコン点ける?」
「私、エアコン苦手でございますの。」

そうだよな。
エアコンの風って女性の大敵って噂もあるしな。

でも、何で待瀬、また敬語になっているの?
さっきまではフランクな感じだったのに…。

「あ、じゃあ、窓開けるか?」
「いえ、こんなに書類が山積みになっている時に、不意に風が吹いてきたら……。」

あ、そうか。
球技大会の他にもクラスに関する案件を書類にまとめていたせいで、書類の山が出来上がっている、確かに風で飛ばされたら整理するのが大変そうだ。

何か良い方法は無いかとたちあがろうとすると待瀬に、
「いいえ、このままで。」
と、制された。

当の待瀬はそう言うなり、自身は立ち上がり俺の隣まで近寄ってくる。
おいおい、そうなったら暑いだろ。
隣に来た待瀬は腰を下ろし俺の目を艶やかな目で覗きこんでくる。

待瀬の顔が赤い、心なしか呼吸のペースも速い。

ん…、少し、酒の匂いが…
酒…?
あ、少し、料理の中に酒入れたな。
じゃがいもの香辛料炒めの隠し味にワイン(隣の女子大生の忘れ物)を少々。
え…?
これで酔っぱらうの?
火をかけたからアルコールって飛ぶはずなんだけど。
あれ?もしかして…こいつって真性の下戸?
体質か…?
そう言えば、下戸と言うか全く酒が飲めない人は粕漬けの匂いだけで酔いつぶれるって話を聞いたこともある。

そうか、こいつ全くアセトアルデヒドの分解酵素を全く持っていないんだ。
だから、この行動は酔っ払ったフリでもなんでもない、今の待瀬は完全に酩酊状態なのだ。

その証拠に、視点は俺の目を一点に合わせそこから動かそうとしない。
完璧にアルコールに自我が侵されている。
待瀬の呼吸音が近い。
生暖かくいてなおかつ甘い匂いだ。

俺の嗅覚アウト。

だぁぁぁぁーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
こうなりゃ耳だ、聴覚に意識をやれば気が紛れるかも……。

シュル。
スルスル。
プチン。

研ぎ澄ました聴覚に飛びこんできたのは衣擦れの音。
待瀬は視線を全く俺からぶらさずにシャツを脱いでいるのだ。
女の子の服を脱ぐ音をこんなに意識してしまうだなんて……。

聴覚もアウト。

うわぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!!!!!
耳もダメなら、目だ、目のやり場をどこかに流そう。
…。
いや、流せない。
シャツを完全に脱ぎ終えた待瀬の上半身はブラジャーだけなのだから。
淡いピンクの控え目なデザインだ。
「い!」
つい、声をあげてしまう。
流そうとした視線の先はブラジャーとそれによって作られた谷間にロックされてしまう。

視覚、お前もか!!

五感が使い物にならなくなったが、体のある個所だけは勝手に我が春を謳歌しており、俺という人格は男性としての中心部に血液が集中していくのを感じている。

待瀬は止まらない。
「伊達君も、服脱げばいいのに。」
酒の力で大胆になっているのか、彼女は両手を俺の両肩に乗せた。
乗せると今度は、右肩に乗せている手はそのままで左肩に乗せていた手で俺のワイシャツのボタンをはずし始める。

2つのボタンをはずし終えたタイミングで、右肩に乗せている手も使いワイシャツをずるずると下げようとしてくる。

待瀬の目は、色っぽさを残しながらも狩る側の目をしている。
普段の待瀬とは全く想像もできない姿だ。

このままだと…、俺、こいつと…。
………。
……。

ダメだ、駄目だ。
こんなのダメだ。
こんなチャンス滅多にないけど、これで流れのまま行ったら、待瀬に一生、合わせる顔が無くなる
はだけたワイシャツを正し、待瀬の左手を弱い力で振りほどく。

「いや…。待瀬。だ、だめだよ…」
ピタッと待瀬の右手が止まる。
すると、待瀬の目が潤みだした。
「私ではダメなのですか?私には魅力が無いから?
やっぱり追浜さんの方がよかったのですか?」

え?なんでここで追浜の名前が出てくるの?

「男性の方々から好奇の目で見られていて嫌だったこの体も、
伊達君にだったらお見せしても差し支えないと思っておりました。
この乳房、触ってみて下さい!」

ぐっと胸を突き出してくる待瀬。
そのうえ、待瀬は声を荒げながら今にも泣きだしそうである。

しかし、泣きだしそうな表情でも彼女の手の動きは素早かった。
待瀬は右手で俺の左手を掴むとそのまま自分の胸に引き寄せる。

むにり。
頭の中で擬音が再生される。

左手からは柔らかくかつ微細な肉の感覚が電流のように流れてくる。
その電流は二手に分かれ脳に受信されるのは当然としてドバドバと男性の象徴に流れて行くのが手に取るようにわかる。

その電流の源泉は女の子の胸だ。
しかも真面目な委員長さんの大きな大きなおっぱいである。

「さぁ、揉んでください!」
潤み目でキッと睨む待瀬。
揉んでもアウトだし揉まなくてもアウトだ。
いや、どうせ同じアウトだったら
揉まなくてもアウトを選ぶべきだ。

「ごめん。待瀬。」
待瀬の胸の上に置かれている左手を力まかせに引く、
待瀬の右手は俺の左手首を掴んでいるままだ。
「キャッ。」
待瀬からしてみれば、急に右手を引っ張られたていとなる。
当然ながら待瀬はバランスを崩すことになり、右手で俺の左肩を押す流れになる。
すると、俺もバランスを崩すことになってしまう。
この一連の拍子で、待瀬に押し倒される格好になった。