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勇者の憂鬱 勇者の裁判

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「勇者の憂鬱」

モンスターを倒し、Lvが上がる音を聞いて落ち込む1人の男。見た目は現高校生よりたくましい感じだが、これでも本人は17歳だという。その後ろにたくましい男女4人がうれしそうにしている。その落ち込んでる男のことを気付き、1人の女性が近寄り、声をかける。
「ねぇ勇者。なんでうれしくないの?大魔王を倒すためにはまだまだLv96じゃ倒せないよ?」
この声に勇者は仏頂面してその女の肩を掴み、目を細くしてすごい速さで話し始める。
「いいか女僧侶?俺は確かに勇者で世界の平和のために大魔王を倒さなきゃいけねぇ。でもな、お前らは何回も記憶消えてるから分らないけどな、俺らは10回くらいは大魔王倒してるわけよ?お分かり?だからいちいちこんな洞窟でLv上げしなくてもいいわけだ。なぜかわかるか?俺らはもう大魔王を倒してるからだ!いいか?もう一回言うぞ?俺らは―――」
「あ~わかったわかった。勇者が熱だってことがわかった」
今相槌打ったのは勇者の最初の仲間であり、腐れ縁ともいえる男剣士。勇者から絶対的信頼を置かれてる、とはいえ他の仲間のことを疑ってるわけではない。ただ、一番関係が長いからだと勇者は仲間にはそういってある。だから男剣士と勇者を除く女僧侶、女魔法使い、氷の仲間モンスターはその2人をただの仕事仲間だと思ってる。だが、4人で襲っても1人で打ち勝ち程の強さを持つ勇者の仲間は「勇者1人でも大魔王に勝てるかもしれない。てことは俺らは足手まといかもしれない」と仲間に思われ、そのため本来8人が普通のパーティも5人しかいないのは3人、男魔物使い、女遊び人、老人魔法使いは家に帰ってしまったのだ。
そのため勇者は真の孤独ともいえるかもしれない。
強さが故に仲間を失い、絶対的信頼を置いてる男剣士からも「熱だ」やら「頭打ったか?」と聞かれ、勇者は1人寂しい思いをしてるかもしれない。そんなことも気づかず、他の仲間は堪忍袋がキレたようで、逆切れしてどこかへいってしまった。
「はぁ、俺はなんで勇者なんかに生まれちまったんだろ」
ため息をまた1つ、そのあと勇者は座っていた丸太から立ち上がり、トボトボと大魔王の所へ向かった。

作品名:勇者の憂鬱 勇者の裁判 作家名:DG4