覇王伝__蒼剣の舞い1
3
リョウ・オンは、星虎と焔に手合わせを願い出た。
大胆な少年である。
蒼龍を目指す彼にとって、四獣聖の二人を負かすことができればと考えたのだ。
「僕、パス。見てた方が楽しいモン」
「じゃ、吾が相手をするか」
そう云って、星宿が剣を受け取って勝負は始まった。
「ねぇ、タクちゃんはどっちが勝つと思う?」
「星宿さま、でしょうか…」
「でも、あの候補生腕はいいよ。腕だけはね」
バシッ。
肉を叩く音に、リョウ・オンが呻いた。
今まで誰も当たる事のなかった彼の躯に、星宿の剣が振り下ろされたのである。
「さすがだ。普通は剣を落としている」
「ありがとうございます…、白虎さま。でもまだです」
「___いや、終わってる」
答えたのは星宿ではなく。
「小龍…さん」
「終わってるんだよ、お前は。リョウ・オン」
作品名:覇王伝__蒼剣の舞い1 作家名:斑鳩青藍