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覇王伝__蒼剣の舞い1

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 「何よ、ピンピンしてるじゃない」
 赤い髪を掻き上げ、彼女は横目で男を見た。
 周りには、白い衣の男たちが倒れ、残った者立ちも青ざめながら信じられないと云う顔だ。
 「__まさか、あんたに再会するとは思わなかったぜ」
 「お互い様よ。相変わらず可愛げないわね」
 「それはこっちの台詞だぜ。あんたの下にいるヤツは苦労してることだろうよ」
 「それもお互い様じゃないの?清雅」
 舌戦では、彼女も負けてはいない。
 「炎の女帝は健在のようだな、凌姫(りょうき)」
 「あんたから云われると嬉しく感じないのはどうしてかしら。褒め言葉も嫌味に聞こえるわ」
 狭い通路を掛けながら、彼らは白い男たちを息も乱さず倒していく。
 数時間前、蒼国王城を訪ね偶然にも出てくる清雅と会った凌姫はある事を話した。
 それにより、彼らは国境近くのある邸に乗り込むことになったのだ。
 慌てたのは、中にいた数人の白い衣の男たちである。
 清雅は、怪我の悪化で剣を握れぬ___そう聞いていたからだ。
 それなのに、だ。
 「ばかな…っ」
 「この戦、お前らの負けだぜ。さぁ、吐いてもらおうか」
 龍王剣をピタリと男の喉元に押し付け、清雅はニッと嗤った。