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覇王伝__蒼剣の舞い1

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 月明かりの差し込む廊下を、一人の少年が進む。
 金褐色の髪に、未だ若干幼さが残る面立ちの少年の名は拓海。
 彼は、一つの部屋の前で立ち止まり、静かに扉を押した。
 その視線の先、寝台に横たわる人影に拓海は近づいた。
 「______清雅さま」
 性格に問題ありと拓海の評価にある彼は、青白い顔でそこにいた。
 その寝顔は苦痛に歪められ、意識のないものの何かと戦っている、そんな表情だ。
 未だ彼に一度も名前で呼ばれず、『玄武の息子』とか『半人前』としか呼ばれていた
が、そんな事はどうでもいいと思う。
 唯もう一度、彼と一緒に剣を振るってみたい。
 そう思うのであった。