覇王伝__蒼剣の舞い1
「___まさか、お前が乗り込んでくるとはな。今度は、黒狼は一緒じゃないようだな?義勝」
「蒼王は命知らずと聞いたが、その通りなのか?」
「その言葉そのまま返すぜ」
チャキッ…と、剣を鞘から抜く音がした。
蒼い龍が柄に巻き付くように刀身に向かって伸びる剣。
「___その剣は…」
「清雅さま」
「清雅…?」
義勝の記憶が、一気に蘇る。
あの時、少年が手にした剣。母が叫んだ少年の名前。
___清雅。
「思い出したようだな?俺は忘れちゃいなかったぜ。お前たちがここで何をしたか…!」
「まさか、蒼王になっていたとはな。死んだと思っていたが」
「残念だったな。トドメをさすべきだったものを」
「どこでどう違ったのか…」
「そうしたのは、お前たちだろうが」
___キンっ。
火花を散らしぶつかるお互いの剣に力をこめ、清雅と義勝の戦いは始まった。
作品名:覇王伝__蒼剣の舞い1 作家名:斑鳩青藍