小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

覇王伝__蒼剣の舞い1

INDEX|12ページ/92ページ|

次のページ前のページ
 

 蒼国・王城は尚武の邸からそんなに遠くない位置にある。七年と云う建国の歴史によりも古い造りの城は、前覇王が築城した一つだという。
 その門前で、王城衛士が勢揃いしている。
 「凄い出迎えだね」
 「白虎さま、ご無事のご帰還何よりにございます」
 「まさか、四獣聖を出迎える為のものじゃないだろう?」
 「はい。我が王、蒼王陛下の出迎えです」
 「蒼王陛下っ?」
 思わず声を跳ね上げたのは、拓海であった。
 「何者だ」
 「あ、僕は…」
 「玄武の息子だ」
 衛士の問いかけに答えたのは、いかにも不機嫌そうな男の声だった。
 少し日に焼けた肌に、背まで流れる癖のある髪、どう見てもこの場に相応しくない怪しげな風体に、衛士は思わず腰の剣を抜いていた。
 「誰だ…」
 「ったく、瑠邑の奴、こんな出迎えしやがって…」
 すっかり癖になった仕草で髪を掻き上げる男に、衛士の視線はゆっくりと彼の腰に伸びていく。
 柄に巻き付く蒼い龍の細工、それは四獣聖・蒼龍の剣であることはすぐに理解る。
 次の瞬間、衛士の顔は青ざめた。
 「___蒼王陛下っ」
 はぁっ?!
 拓海が同時に、驚く。
 清雅は、蒼国の国主・蒼王だったのである。