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漢字一文字の旅  第三巻

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十一の五  【切】



【切】、「七」と「刀」の組み合わせた形。
「七」は切断した骨の形であり、これに「刀」が加わって「きる」となったようだ。

そんな【切】に「親」が前に付いて――「親切」。
「親」を【切】って、なぜ親切なのだろうか?
痛いだけだろう、と言いたくもなるが。

調べてみれば、どうも親を切る意味ではないようだ。
「親」は「親しい」、「身近に接する」意味。
そして、ちょっと恐いが、刃物が肌身にピタッと当てるように寄り添い、行き届くようにすること、これが「親切」だそうな。

さて、「情けは人の為ならず」という言葉がある。
最近は、情けをかけると、その人のためにならない、という解釈で使われている。
しかし、原義は他人のためだけでなく、自分のために返ってくるのだから、他人には親切にしなさいという意味だ。

そんな親切、小さな親切運動があったりするが、親切な人が多いと思う都道府県はどこか? こんな調査が2014年になされた。
少し不愉快になる方もおられると思うが、gooランキング編集部の調査結果を思い切って転載紹介してみよう。

親切ランキング
 1位 沖縄
 2位 北海道
 3位 青森
 4位 山形
 5位 大阪

えっ、大阪が5位? ウッソーとなるが、大阪のオバチャンはすぐにアメちゃんくれるしね。

それでは東京、京都は? 
東京は10位、京都は14位。
うん、ちょっと納得。

それではワーストは?
 42位 鳥取、佐賀が同列。
 44位 三重と奈良が一番不親切だという。

三重、奈良の人たち、こんな不名誉なことを勝手に報じられて怒ってるだろうなあ、とちょっと心配してま〜す。

いずれにしても【切】、「骨」と「刀」だけに、いつも切迫してる漢字なのだ。