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漢字一文字の旅  第三巻

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五の三  【進】



【進】、「しんにゅう」の上の「隹」は鳥の形。
鳥占いにより軍の進退を決め、進軍することを【進】と言うらしい。

軍歌に「露営の歌」というのがある。

♪ 勝って来るぞと 勇ましく
  誓って国を 出たからにや
  手柄たてずに 死なれよか
  【進】軍ラッパ 聞く度に
  まぶたに浮かぶ 旗の波  ♪

この【進】軍ラッパ、これが鳥占いであれば、やっぱり勝てないよなあ。ということで、敗戦。

そして話しは変わるが、生物が種や属の段階を超えて変わることが「進化」、いわゆるカッコよく言えば、エボリューションだ。

人類の証は直立二足歩行。
どのように類人猿から人類へと進化したのだろうか?
いろいろと説があるようだ。現在はかってのサバンナ説からアクア説が注目されているとか。

サバンナ説
類人猿は生きるために何らかの理由で二足歩行が必要になった。
それをサバンナでやり、人類へと進化した。

しかし、なぜ人は無毛なのか?
ここがサバンナ説では説明できない。

一方、アクア説──なんと、元々人は水棲動物。
水の中で浮力で二足歩行を覚え、そのまま陸へ上がったとか。

ホンマかいな? と思うが、
決め手は……魚と一緒で体毛がない……ということらしい。

うーん、とにかく言った者勝ちのようだ。
そこで鮎風の新説を。
それは本邦初公開の「エエカッコシー」説。

好きなメス類人猿をものにしたいと思ったオス類人猿が、カッコ良く見せたくて、ウジャウジャの体毛を抜いて、背筋を伸ばして歩いた。
これで彼女を目出度くゲット。

この成功体験が親から息子へと、そして孫へと受け継がれて行った。 
そして気が付けば、それが千回も繰り返され、いつの間にか体毛は退化し、二足歩行で歩いていた。

どうだ、「エエカッコシー」説は、と言いたいが、どうも脳には【進】という字は似つかわないようだ。