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漢字一文字の旅  第三巻

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五の二  【廃】



【廃】、「すてる」の意味の字は「法」の元の字だった。そこから形声で、【廃】が「すてる」の意味になったとか。
そう言われてみても、なんのことかよくわからない。

他に、「广」(げんぶ)は岩屋の意味、そしてその中に、出発の「発」。それがなぜ「すたれる、すたる」となったのか?
結局、さっぱりわからない漢字なのだ。

そんな【廃】の熟語に「廃墟」がある。
この廃墟が最近なかなかの人気だそうな。
ネット内で一度は訪ねてみたい所として、写真で多く紹介されている。
例えば、世界ではアンコールワットとかだ。

ならば、日本ではどこだろうか?

堂々の1位は、奈良のドリームランド。
1961年7月1日に開業、45年の営業後、2006年8月31日に閉園した。
鮎風も幼い頃、ニ、三度行ったことがある。未来の国、幻想の国、冒険の国、過去の国、メインストリートの5つのエリアがあった。

今から思えば、ほぼディズニーランドのパクリだったのではと思える。
それでも懐かしいから、不思議だ。

というのも、今は廃墟だが、朽ちた木造のジェットコースターに夕日が映える。これがなんとも言えね昭和の風景なのだ。

第2位は、琵琶湖大橋の大観覧車イーゴス。
1992年に建設、108メートルの世界一の高さを誇った。

しかし、営業終了後の8年間、廃墟のままだったが、2013年に解体開始。ベトナムへ移転するためだ。
2014年には廃墟は更地となった。
惜しいと思うが、ベトナムでのイーゴスの再出発を祝ってやりたい。

そして、ランク付けをするのはおこがましいが、格違いの番外編の廃墟は──
軍艦島。

長崎港の南西に位置する海岸線1,200mの小さな島。
一時炭鉱として栄え、東京都の人口密度の9倍の5,200人が住んでいたそうだ。
現在は無人島で、島全体が廃墟。
しかし、大正、昭和の名残があり、心霊スポットもある。
恐いぞ! と、一度は行ってみたい気がする。

調べてみれば、3,600円の上陸幽霊ツアーがあるようだ。
いかが? と、まずは他人に勧めてみよう。

いずれにしても【廃】、岩屋の「广」(げんぶ)に、出発の「発」、岩礁の島の軍艦島からどこかあちらの世界へと旅立つ、それに招かれてるようだ。