漢字一文字の旅 第三巻
三の五 【兆】
【兆】、亀の甲を灼いて占う時、左右にひび割れた形が表れる。その象形だそうな。
占うから「きざし」となるとか。
そして数字の世界では【兆】(ちょう)、最近馴染み深い。
1,000,000,000,000と10の12乗、1億の1万倍だ。
最近の米国、金融緩和の縮小を目論んでいるが、なかなか踏み切れない。
縮小したとしても日本円で毎月8兆円、1年で100兆円分のドル紙幣を増やし続けている。
1兆円は日本人の人口が1億人としたら、100兆円は一人当たり100万円の規模だ。
これを続ければバブル、きっとバブルへの道を突き進んでいるのだろう。
話題は飛ぶが、
北斗七星のしっぽの先から二番目の星・ミザール、その傍にアルコルという変光星(明るさが変化する星)がある。
別名「死兆星」と呼ばれている。伝説の不吉な星だ。
昔、この星が見えるかどうか、兵士の視力検査に使われた。
この死兆星、今ではゲームの中によく現れ、ゲーム好きにはお馴染みのようだ。
こんな【兆】もあるが、やっぱり願いたいのは「吉兆」しかない。
作品名:漢字一文字の旅 第三巻 作家名:鮎風 遊