漢字一文字の旅 第三巻
十六の五 【汁】
【汁】、「さんずい」に「十」、十ほどの多くのものを混ぜて作られた液体のことだとか。
だが現実には「果汁」、「肉汁」、「墨汁」と単品でも液体であれば【汁】のようだ。
英語で「soup」(スープ)、スペイン語では「sopa」(ソパ)。
世界三大スープは……、これが諸説いろいろだ。
トムヤンクン、フカヒレスープ、味噌スープ、ブイヤベース、ボルシチがだいたい定番の候補のようだ。
ちょっと待った!
筆者は叫びたい。一番は「ソパ・デ・シエテ・マリスコス」だろ、と。
メキシコで味わった、要は「七つの海汁」だ。
七つの海は歴史とともに変遷したが、今は北大西洋、南大西洋、北太平洋、南太平洋、インド洋、北極海、南極海だ。
これら七つの海からの幸、エビ、イカ、タコ、貝、魚類が凝縮されたソパ。
これぞ地球海洋生命体の堂々…美味汁だ、と主張したい。
【汁】、とにかく「さんずい」に「十」だけに、十人十色てところかな。
作品名:漢字一文字の旅 第三巻 作家名:鮎風 遊